2013 Fiscal Year Annual Research Report
アルミニウムおよびマグネシウム表面への合金プリント法の開発と超軽量材料への展開
Project/Area Number |
23560834
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
桐原 聡秀 大阪大学, 接合科学研究所, 准教授 (40362587)
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Keywords | 合金 / 金属間化合物 / パターニング / 応力制御 / フラクタル構造 / デンドライト構造 |
Research Abstract |
アルミニウム合金やマグネシウム合金は、現代工業において幅広く用いられる軽量金属材料であるが、地球環境保全や持続的エネルギー確保に対する社会的な動向に呼応して、より高い特性を発揮することが求められている。炭酸ガスの排出削減やエネルギーの消費低減を実現するため、各種車両の軽量化を目指した実践応用が進められており、更なる高強度化に加えて耐熱性や耐食性の向上が強く望まれている。本申請研究では、アルミニウムやマグネシウムなどの軽量金属材料に対して、希少金属に分類される様々な合金元素を添加し、材料性能を向上させる従来の冶金的手法とは異なり、これまで申請者らが確立してきた、マイクロパターニング技術を基盤として、合金相の表面構造を精密に形成し、人工的に金属組織の幾何学分布を制御することで、優れた機能特性を自在に発現させ得る新規プロセスの構築をめざした。平成23年度における研究遂行の第一段階では、軽金属基板の表面に金属インクを精密にプリントするための、インクジェットシステムを開発した。微細ノズルから金属微粒子を分散した樹脂インクを塗出させるため、微粒子径やノズル孔径を最適化した。平成24年度における第二段階では、プリント金属を基板に定着させるための、加熱ならびに加圧プロセスを確立した。効率良く反応拡散を生じさせる熱処理パターンや、ツール材質の選定を含めて圧縮工程が最適化された。平成25年度における第三段階では、合金の幾何学パターンが発現する特性について、予測計算と実測結果を比較検討した。機能性表面を構築基盤となる基礎理論が確立された。本申請研究における学術的な成果としては、軽金属表面に形成する合金パターンの幾何学デザインにより、強度をはじめ耐熱性や耐食性を制御が可能になった点が挙げられる。予測計算と実測結果の系統的な比較検討により、制御理論の確立が達成された。
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Research Products
(18 results)