2011 Fiscal Year Research-status Report
新規酸化物／酸化物複合材料の創製及びマルチ靱化機構の導入による高性能化
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23560835
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| Research Institution | Tottori University |
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Principal Investigator |
陳 中春 鳥取大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00282111)
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| Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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| Keywords | 複合材料 / セラミックス / アルミナ / 反応焼結 / In situ合成 / 組織靱化 / 破壊靱性 |
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| Research Abstract |
本研究は、高温かつ酸化雰囲気のような過酷な環境に適用可能な新規アルミナ系酸化物／酸化物複合材料の創製およびマルチ靱化機構の導入・組織制御による高性能化を図ったものである。本年度は、原料粉末間の反応焼結によって、高アスペクト比を有する棒状第二相粒子をアルミナのマトリックスに導入するIn situ合成法を提案し、原料粉末の粒径やプロセッシング条件が複合材料の緻密化挙動、組織、機械的性質に及ぼす影響および反応経路・強化相形成のメカニズム等を重点的に検討した。得られた成果を以下に示す。 (1) Al2O3とBaZrO3の混合粉末を高温で反応焼結することにより、Al2O3マトリックス中に第二相としてBa-β-Al2O3とZrO2を均一に分散した複合材料を合成できた。Ba-β-Al2O3は非化学量論的化合物で棒状の形態を呈し、ZrO2は等軸な細かい粒子であった。なお、BaO･Al2O3は、反応の中間相として1300℃以下の低温で存在する。 (2) Al2O3粉末の粒径は、複合材料の反応合成や緻密化挙動に大きな影響を与え、細かいAl2O3粉末を用いることにより、大気中無加圧焼結でも十分な緻密化が可能である。放電プラズマ焼結(SPS)の場合、大気中無加圧焼結と比べ、より低温短時間で複合材料の反応合成と緻密化を同時に進行させることができるが、反応で生成したBa-β-Al2O3相のアスペクト比が小さくなった。 (3) Ba-β-Al2O3とZrO2第二相の存在により、アルミナマトリックスの結晶粒成長が抑制され、結晶粒径が小さくなった。 (4) Ba-β-Al2O3棒状粒子の存在が、クラックの偏向や架橋への効果をもたらし、複合材料の破壊靱性の改善に寄与する。In situ合成したアルミナ基複合材料の破壊靱性値が、アルミナより57%以上向上したことを示した。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の重要な目的の一つは、原料粉末間の反応焼結によりアルミナマトリックスに高アスペクト比を有する棒状第二相粒子を導入し、アルミナの破壊靱性を改善することである。本年度では、提案しているセラミックス基複合材料のIn situ合成技術の可能性を確認し、さらに、複合材料のプロセッシング条件と緻密化挙動、相・組織、機械的性質との関係および反応経路・強化相形成のメカニズムを明らかにした。よって、本年度の研究の目的を達成し、研究計画を順調に進展していると言える。
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| Strategy for Future Research Activity |
平成23年度の研究成果を踏まえ、今後、反応焼結で合成した複合材料の熱安定性等を調べるとともに、最適な機械的性質を引き出すための材料の組成設計、プロセッシング条件、組織制御の指針を提案し、高性能アルミナ基酸化物／酸化物複合材料のIn situ合成プロセスを確立する。 特に、Al2O3とBaZrO3の混合粉末にY2O3やTZPを添加し、ZrO2のマルテンサイト相変態効果を同時に活かし、マルチ靱化機構の導入や組織制御による複合材料の高性能化を図る。また、合成した複合材料を大気中において高温長時間熱暴露試験を行い、複合材料の微視組織や機械的性質の熱安定性等を検討する。
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| Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度の当初交付額に対し、約154千円の残額が生じた。これを次年度の物品費の内、特に新たに実施する実験に用いる工具類の購入に充当する。したがって、平成24年度の直接研究費は約1354千円である。その内、物品費（材料費やダイス、ひずみゲージ、切断砥石、研磨円板・研磨液等）は954千円、研究成果発表のための旅費は300千円、会議登録料や投稿料は100千円。
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Research Products
(3 results)
