2013 Fiscal Year Annual Research Report
新規酸化物/酸化物複合材料の創製及びマルチ靱化機構の導入による高性能化
Project/Area Number |
23560835
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
陳 中春 鳥取大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00282111)
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Keywords | 複合材料 / セラミックス / アルミナ / 反応焼結 / In situ合成 / 組織靱化 / 破壊靱性 |
Research Abstract |
本年度では、アルミナ系酸化物/酸化物複合材料の微視組織や機械的性質に及ぼすイットリア(Y2O3)添加の影響を検討するとともに、Al2O3とBaCO3混合粉末の反応によるBa-β-Al2O3強化したAl2O3基複合材料の合成・組織制御および機械的性質を調べ、本研究で提案しているIn-situ合成プロセスの有効性や波及効果を検証した。得られた主な成果を以下にまとめる。 1. 微量のY2O3添加は、正方晶ジルコニア多結晶体(TZP)と同様に、Al2O3基複合材料の反応焼結における緻密化が促進され、複合材料の相対密度が上昇することが分かった。しかしながら、TZP添加ではAl2O3マトリックスの結晶粒成長が抑制されるが、Y2O3添加では結晶粒の成長が見られた。 2. Y2O3の添加は、Al2O3とBaZrO3の反応により生成したZrO2は正方晶相への準安定化に寄与する。焼結温度が上昇するにつれて正方晶ZrO2相の量が増加する傾向を示した。 3. Y2O3を添加した複合材料は、無添加試料より高い破壊靱性値を示した。これはBa-β-Al2O3棒状粒子の存在によるクラックの偏向や架橋の効果だけでなく、ZrO2のマルテンサイト相変態による効果も寄与すると思われる。 4. メカノケミカル処理したAl2O3とBaCO3の混合粉末を仮焼し、さらに放電プラズマ焼結により緻密なAl2O3/Ba-β-Al2O3複合材料を合成できた。Al2O3とBaZrO3の反応と同様に、生成したBa-β-Al2O3相は棒状の形態を呈し、Al2O3の破壊靱性の改善に寄与することが分かった。
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Research Products
(7 results)