2013 Fiscal Year Annual Research Report
酸化チタン/粘土複合体を用いた多機能環境浄化材料の開発
Project/Area Number |
23560837
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
亀島 欣一 岡山大学, その他の研究科, 准教授 (50251616)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三宅 通博 岡山大学, 学内共同利用施設等, 教授 (30143960)
西本 俊介 岡山大学, その他の研究科, 助教 (90435826)
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Keywords | 可視光応答型光触媒 / 窒素ドープ / 銅ドープ / 酸化物ゾル / 粘土鉱物 / 有機物分解 |
Research Abstract |
窒素ドープ酸化チタンゾル,および銅ドープ酸化チタンゾルを用いた酸化チタンゾル/粘土複合体からなる可視光応答型光触媒の検討を進めた.あわせて,これらの複合体を基板上にコーティングした膜状試料による有機物分解性能も検討した. 窒素ドープ,銅ドープのどちらの場合も,複合体にはアナターゼ相が観察された.また,粘土相の底面間隔が拡大したことから,酸化チタンゾルを層間に担持した粘土相を含む酸化チタンゾル/粘土複合体が得られた.得られた複合体の比表面積は180~200 m2/gであり,これも粘土層間へゾルが導入されたことを支持した. 気相系における有害有機物の分解挙動を,ノルマルヘキサン,2-プロパノール,およびp-キシレンについて調査した.窒素ドープ,銅ドープのどちらの試料でも紫外光のみならず可視光下でも有機物の分解が進行し,可視光応答性を発現した.窒素の場合,N/Ti≈0.03の試料が最も活性が高かった.一方,銅の場合,Cu/Ti≈0.005の試料が最も活性が高かった.各有機物の分解性は2-プロパノール > ノルマルヘキサン >> p-キシレンの順であった.これは,2-プロパノールの方がノルマルヘキサンよりも試料へ吸着しやすく,より効率的に分解されたためである.一方,p-キシレンでは分解生成物が試料表面に析出してしまい,著しく分解が阻害されたと考えられた.また,窒素ドープ試料よりも銅ドープ試料の方が高活性であった.これは,銅ドープ試料での界面電荷移動の効果と推察された. 得られた複合体をコーティングした膜状試料は,紫外光下では有機物分解が可能であったが,可視光下では極わずかな分解能しか示さなかった.2-プロパノールにおいて,膜状試料では初期の吸着量が著しく低下したことから,本複合体を膜状にした場合の低活性は試料への有機物吸着の低下が一因と考えられた.
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Research Products
(3 results)