2012 Fiscal Year Research-status Report
新奇な熱電材料設計:ナノサイズ格子の原子配置ランダム化による移動度向上機構の検討
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23560838
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
赤井 光治 山口大学, 大学情報機構, 准教授 (20314825)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸本 堅剛 山口大学, 理工学研究科, 助教 (50234216)
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Keywords | 熱電材料 / クラスレート半導体 / ランダムポテンシャル |
Research Abstract |
H24年度は1) カゴ状物質でタイプVIII構造を持つ4元系クラスレートBa-Ga-Sn系について、実験において観測されているGe置換による熱電性能の向上と混晶化の関連性を調べるため、Ge置換による熱電性能変化の機構について輸送解析を行い検討を行った。また、ホストサイトにおける2)ランダムポテンシャルの効果を調べるため、ホストサイト原子の配置について引き続き検討を行った。 具体的に、1)については、Ge原子がクラスレート構造のホストサイトの一部を置換することが予想されている。しかし、Ge原子がクラスレート構造内のどのホストサイトに入るかは明確になっていなかった。このため、まず、電子構造計算を進めるにあたり、Ga-Ge-Snがどのように配置するかを、全エネルギーの計算により調べた。この結果、タイプVIII構造に存在する4種類のホストサイトのなかで、Ga原子の場合と同様に2aサイトおよび、8cサイトに占有されやすいことが分かった。また、Ge原子はSn原子のサイトを置換することを反映し、三元系であるBa-Ga-Snにおいて、Gaサイトへの影響は小さくSnサイトをGeに置換するモデルが実験結果と整合性が高い結果が得られることが分かった。この、配置モデルに基づき、バンド構造を行い、熱電物性評価を行った。焼結体では、Ge置換により、Seebeck係数が大きく変化することが示されているが、計算では、Seebeck係数への影響が小さいことが分かった。2)については、従来の原子間モデルを改善し、長距離相互作用を考慮した配置モデルによる計算手法の開発を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度予定していた、4元系クラスレート系の熱電物性評価については、予定通り進んでいる。一方、ポテンシャル評価については予定より遅れているが、時間のかかっていた原子間ポテンシャル評価の目処が立ち、今後順調に進展する予定。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究については、実験研究と理論研究の相互連携をはかり、未解決課題の確認とそれに対する対応を進め、研究目的の達成に向けた取り組みを行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
熱電国際会議など熱電分野での主要学会での参加費用および計算規模の拡大に対処するための計算環境強化を研究進捗に応じ行う。
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Research Products
(8 results)