2013 Fiscal Year Annual Research Report
粉末焼結超合金の高温強度に及ぼす旧粒子界面に残存する酸化皮膜の影響
Project/Area Number |
23560844
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
筧 幸次 首都大学東京, 理工学研究科, 准教授 (70185726)
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Keywords | ニッケル基超合金 / 粉末冶金 / 旧粉末粒子界面 / プラズマ回転電極法 / インコネル718 |
Research Abstract |
【背景および目的】溶解鍛造Ni基超合金の高温強度特性の向上に伴い,加工性が悪化している.また,超合金は高価な材料であり,材料の歩留まりの向上や,切削コストの低減が求められている.このような課題を解決する方法として粉末冶金が注目されている.粉末冶金では材料をニアネット成形できるため上に述べた問題の改善に適しているといえる.さらに,材料を高純度で微細な粉末から製造することで,微細で偏析のない結晶粒を得ることができる.粉末焼結超合金は,粉末製造過程において混入する不純物により強度が低下する.特にPPB(Previous Particle Boundary)と呼ばれる旧粉末界面に残存する被膜は,材料の延性を低下させる. PPBが低い高品位な粉末の製造方法としてPREP(Plasma Rotating Electrode Process,プラズマ回転電極法)がある.PREPは材料金属を高純度プラズマによって融解し,液滴として電極表面から遠心力によって吹き飛ばすこと粉末を製造する方法である.このPREPによって製造された粉末は,酸素等の不純元素の混入が少なく,かつ衛星粒子がほとんど見られない均一な粒子を有することが特徴であるが,国内ではNi基超合金にPREPを適用した研究例はない.そこで,本研究では,PREP粉をHIPにて焼結し,さらに,PREP粉焼結合金に熱間鍛造を施したPM718PREP鍛造材を製作し,その特性を評価した. 【結果】PREPにより,衛星粒子のない真球状の粉末粒子が得られた.粉末粒子が粗大であったため,HIP焼結後,キャビティが観察された.引張試験片破面において,PPBに沿った破壊が観察された.そこで,PPBを粉砕しこのキャビティを潰すために,熱間鍛造を行った.PM718PREP鍛造材は鍛造前のPM718PREPに比べて強度,延性共に増加した.Inconel 718は鍛造することで強度は増したが延性は低下した.
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