2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23560853
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
武田 隆史 独立行政法人物質・材料研究機構, その他部局等, 研究員 (60344488)
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Keywords | 蛍光体 / セラミックス / 希土類 / 光物性 / 積層欠陥 |
Research Abstract |
本研究は従来の点置換型と異なり発光中心が層状で存在する積層欠陥型蛍光体を発展させることが目的である。蛍光体母体として用いるウルツ型窒化アルミニウム中に存在する発光層の数や配列などの制御を行い、様々な構造を持つ積層欠陥型蛍光体を合成するととともに、窒化アルミニウム以外の系でも同様の積層欠陥構造の展開を行う。 24年度は積層欠陥構造についてこれまでのa,b軸方向とは異なりc軸方向からTEM観察を行ったところ、Eu発光中心のab面内での分布状態が明らかになり、予想された構造と一致するものであった。ウルツ型で極性の反転の役割を担う構造についても詳細に観察した。23年度に見出されたEu積層欠陥が周期構造として存在する相について様々な周期の相を作成できるようになった。しかし、周期的な積層構造を得ることが困難な組成もあり、積層構造に最適な組成範囲があると考えられた。また層状構造が見当たらない生成物でもEuから類似の青色発光が確認されていることから、積層置換以外でもウルツ構造中で青色発光するEuの存在が示唆された。長時間焼成などでその傾向がみられることからより安定な状態の可能性が示唆された。 窒化アルミニウム以外の母体である炭化ケイ素原料について共添加元素を用いて合成を進めたが、残留炭素の影響が強いためか生成物は発光を示さず、希土類発光中心が炭化ケイ素構造中に取り込まれている様子は確認できなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
発光中心が層状置換する従来と異なる積層欠陥型蛍光体の展開を行い、詳細な結晶構造を明らかにするとともに、Eu層の発光層の数や配列などの制御ができるようになりつつある。窒化アルミニウム以外の系では層状置換する構造がみられていないが、合成条件、組成の最適化で作成できると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
ウルツ型窒化アルミニウム中に存在する発光層の数や配列などの制御を高圧合成まで合成条件を広げて展開し、発光層の周期的、不規則な存在の関係を明らかにし、ウルツ型窒化アルミニウムを母体とする積層欠陥型蛍光体の総括を行う。窒化アルミニウム以外の炭化ケイ素系など他の系については共添加元素の種類を変化させるとともに組成分析なども含め、ドーピングの可能性について検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
各種希土類原料、合成用の特殊ガスの購入、高温、高圧合成を行うための専用のるつぼ、各種消耗品の購入に使用する。
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