2013 Fiscal Year Annual Research Report
ニューコンセプトTi基バイモーダルコンポジットの合成と評価
Project/Area Number |
23560871
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
津田 大 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 客員研究員 (80217322)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松井 利之 大阪府立大学, 21世紀科学研究機構, 教授 (20219372)
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Keywords | TEM観察 / Ti2C / 析出 / 板状Ti / TiC粒子 / β-Ti / 超構造 / 原子空孔 |
Research Abstract |
これまでの研究により窒素(N2)を2at%、およびFeを8at%以上含むTi-Fe-C-N系圧体を反応アーク溶解したところ、TiC粒子にα-Tiが析出し、強度、延性の両方を兼ね備えた新規二重複相材料を合成できることを明らかにした。今年度は、比較的安価なβ-Ti安定化元素であり、人体への親和性も高いCrを用いたTi-Cr-C-N系混合粉末の圧粉対を反応アーク溶解することによりα-Tiを析出させたTiC粒子分散の(α+β)あるいはβマトリックスにTi基複合材料を合成した。TiC粒子の微細組織に及ぼすCrとN2(窒素)添加量について詳細に調べた。得られた結果は以下の通りである。 (1)N2を2at%またCrを11at%以上添加した場合、TiC粒子へのα-Ti析出が観察された(2)TiC粒子へのα-Ti析出にはTi2Cの存在が大きく影響していることが明らかとなった。(3)N2の添加量が増えるに伴いTiC粒子へのα-Ti析出量は増大する、そしてこれに伴いTiCの硬度は低下する。一方、Tiマトリックスの硬度は、Ti中へのN2の固溶体効果により上昇する。(4) Crを12.5at%以上含む試料、すなわちこの組成領域はTi-Cr2元系状態図が示す通りすべてβ-Ti領域であるため、TiC粒子にはα-Tiの析出は起こらない。(5)TEM観察および制限視野回折像の解析からTiC粒子と析出したα-Tiとの結晶学的関係は [011]TiC//[1120]α-Ti、(111)TiC//(0001)α-Tiであることが明らかとなった。
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