2013 Fiscal Year Annual Research Report
生分解性樹脂へのアモルファス炭素ナノ薄膜付与とその終末処理の試み
Project/Area Number |
23560877
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Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
矢ケ崎 隆義 工学院大学, 工学部, 教授 (30146732)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 雄二 工学院大学, 工学部, 教授 (90107160)
鷹野 一朗 工学院大学, 工学部, 教授 (70226801)
桑折 仁 工学院大学, 工学部, 准教授 (70327724)
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Keywords | 環境負荷低減型電気・電子用基板(PBC) / 生分解性プラスチックス / イオンビーム照射 / 炭化水素ガス熱分解膜 / 自体炭化層 / 金属薄膜付与PCB終末処理 / アニーリング処理 / ステレオコンプレックス |
Research Abstract |
本研究はイオンビーム照射と薄膜創製技術とを用い、各種生分解性プラスチックスを電気・電子用プリント回路基板(PBC)とするエコマテリアル・ディバイスの構築を目的に推進した。研究は①各種イオンビーム照射による堆積薄膜の形成及び改質層(自体炭化層)の形成が、PBCと金属薄膜との付着力に及ぼす影響に関わる精査、②PBCに適用する生分解性プラスチックスの微細組織構造の改質が、基板の機械的特性等に及ぼす影響に関わる精査、③金属薄膜を付与した生分解性プラスチックスPBCの終末処理の可能性を検討する分解挙動の精査、の三つの部分を同時遂行した。 下地薄膜あるいは層の形成を試みた①では、炭素水素ガスの熱分解成分によるPBC上への積層薄膜とPBC表面部自体の炭化による改質層形成とを比較することを通して、後者の方が付着力向上をもたらすこと、またイオンビームの照射について最適処理加速エネルギー値が存在すること、イオン種の違いが付着力に影響を及ぼすこと等が明確となった。次にPBSの微細構造の改質が付着力や機械的特性にどのような効果をもたらすのかを検討した②では、アニーリング処理による結晶化度の向上とポリマーアロイ化は付着力にそれほど大きな効果をもたらさないものの、前者はPBCに必要とされている伸び及び引張強度等に顕著な向上効果をもたらすことが明らかとなった。金属薄膜を付与した生分解性プラスチックスPBCの終末処理を想定した③では、工業的な生分解環境中での生分解の初期段階である加水分解過程において機械的強度をもたらす結晶化度の向上は分解挙動の大きな妨げにはならず、極めて合理的に終末処理が可能であることを確認した。 尚、②の生分解性プラスチックスPBCの微細構造改質の精査過程で、ステレオコンプレックスの導入による耐熱性への顕著な効果が確認された。これについては、新たな研究テーマと位置付けて研究を開始した。
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Research Products
(9 results)