2012 Fiscal Year Research-status Report
人にやさしいガイドワイヤ、ステント、インプラント用ねじの量産化技術
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23560879
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
吉田 一也 東海大学, 工学部, 教授 (80147123)
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Keywords | 医療用ガイドワイヤ / ステント / インプラントねじ / 生体適合性 / 塑性加工 / 引抜き / マグネシウム合金 / チタン |
Research Abstract |
①医療用極細ガイドワイヤの開発 これまでの研究実績を基に純チタン及び機能性があるNi-Ti形状記憶合金線やステンレス鋼線を用いて検討した。伸線により、さらなる細径化を目指して研究を行った。すべての材料に対し40ミクロン程度のマイクロガイドワイヤの製造が出来るめどを示せた。 ②液体マンドレル引きによるマグネシウム合金ステントの製造 ステント用材料にはステンレス鋼であるが、機能性の高い形状記憶合金やマグネシウム合金が期待されている。特に医師よりマグネシウム合金管を用いたステントの開発が期待されている。その理由はマグネシウム合金は体内で数年間後には腐食によりなくなるという機能があるからである。しかしマグネシウム合金は難加工材料であるため、通常のプラグ引きができないことや、薄肉極細管の要求から、新しい加工法である液体マンドレル引き(特許成立 特願2006-002806)を提案し、実験した。 冠動脈用ステントに応用できる菅(直径3.3mm、肉厚0.49mm)の製造ができることを明らかにした。 ③安価でアレルギーを考慮した歯科用インプラント用ねじの開発 非アレルギ性として知られている純チタンを中心にインプラント用ねじを塑性加工(転造と圧造)で作成し、生体適合性と安価を満足させるねじ製造に挑戦した。試作するねじサイズは標準のM2であり、高強度を保持するため引抜きで加工硬化させた素線を数種類準備し、その後安価な加工法である圧造と転造加工プロセスによりねじを作成した。当初の目的である塑性加工でインプラント用ねじは製造することができることを明らかにした。また、できたねじの金属組織、衝撃および静的な機械的性質を調査した。製作した純チタンインプラントねじは、アレルギーの心配される現状のチタン合金ねじの硬さやねじ破壊トルク強度に関し、同等程度の結果を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ計画とおりに研究は進捗している。また得られた研究成果は専門学会、雑誌に発表掲載されている。
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Strategy for Future Research Activity |
医療用ガイドワイヤ、ステントおよびインプラント用ねじなど3つの医療機器の開発研究を行い、実用化へ問題点を克服することとより細径化と機能性の向上を目指し、研究を推進する。特に研究成果を早期に実用化となるよう務める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初の計画通り、実験を遂行するための材料、塑性加工の工具、研究成果発表のための旅費等にする。設備備品の購入はしない予定であるが、既存の設備で十分研究が遂行できると判断している。 予算の繰越の理由 海外での成果報告を別の予算で行ったことや実験材料について企業より寄贈していただいたため残額は生じた。
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Research Products
(5 results)