2011 Fiscal Year Research-status Report
電磁・電歪現象融合超音波センサによる革新的高温配管検査システムの開発
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23560880
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Research Institution | Fukuoka Institute of Technology |
Principal Investigator |
村山 理一 福岡工業大学, 工学部, 教授 (20330946)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 高温非破壊評価 |
Research Abstract |
当初目標とした電磁誘導コイルと市販の圧電振動子型超音波探触子と圧電振動子を用いて、電磁誘導コイルの線径、巻き数、直径、材質等の仕様の最適化を実施した。その結果平面状円形コイルを用い、直径を大きくしていくことで、遠方から駆動・検出できることを明らかにした。しかし、遠隔駆動時に受信信号波形が狭帯域化するという課題も発生し、その原因が電磁誘導コイルのインピーダンス上昇に起因することを明らかにした。そこで高温に耐えることができ、かつインピーダンス変動の小さい電磁誘導コイルの最適化を図り、電磁誘導コイルを形成する導線の径を0.5mm程度とし、円形のみならず螺旋状形状を採用することが有効であることを見いだした。最終的に当初目標(圧電振動子型超音波探触子と電磁誘導コイルの距離を10cm離して駆動する)を上回る20cm遠方からの超音波探触子の駆動に成功した。最適化された電磁誘導コイルを用い本来の目的である圧電薄膜積層型超音波センサと組み合わせた実験を行い、10cm以上遠方から圧電薄膜積層型超音波センサの駆動が可能であるというほぼ同等の実験結果を得た。次に400度までの高温実験を実施し、コイルのみを加熱した場合は検出感度に変化がないこと、圧電薄膜積層型超音波センサを同時に加熱した場合も感度低下は発生するが十分な受信信号強度が得られることがわかった。最後に肉厚測定実験を実施し、厚さ10mm~100mmの範囲で十分な精度で肉厚の評価ができることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目標とした電磁誘導コイルを用い圧電薄膜積層型超音波センサと組み合わせて10cm以上遠方から圧電薄膜積層型超音波センサの駆動の目処を得ており、また400度までの高温でも本手法が適用可能であることも実証できた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、実用的な非破壊評価に役立てるため、センシングシステムの感度向上に努める。またより一層高温での性能評価を進める。また実用的な非破壊評価という観点から、肉厚測定のみならず傷検査を視野に入れる。その為、平成23年度予算で入手した、試験パイプ(パイプ周方向に等間隔で圧電振動子型超音波センサを添付)を用いて電磁誘導法によるガイド波の送受信を試みる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
未使用額は平成23年度に購入した高温用超音波探触子の購入価格が当初予定していた金額より格安だったため、生じたものであるが、研究は順調に進んでいる。未使用額も含め、平成24年度の研究費の使用計画は下記内容を予定している。センシングシステム向上のための高周波電力増幅器及び高温実験のための加熱炉の導入を予定している。また研究成果の国際学会・国内学会での発表を予定している。
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Research Products
(9 results)