2013 Fiscal Year Annual Research Report
炭窒化物分散析出強化型窒素固溶マルテンサイトを基地としたDLC成膜複合表面改質
Project/Area Number |
23560881
|
Research Institution | Sendai National College of Technology |
Principal Investigator |
渡邊 陽一 仙台高等専門学校, マテリアル環境工学科, 客員教授 (60515154)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊谷 進 仙台高等専門学校, マテリアル環境工学科, 准教授 (30390389)
浅田 格 仙台高等専門学校, マテリアル環境工学科, 教授 (20300519)
|
Keywords | 表面改質 / 浸炭窒化 / 炭窒化物 / 窒素 / DLC |
Research Abstract |
(1)ミニ窒化焼入れ実験装置について,鋼表面への窒素浸入量を制御するためにはアンモニア雰囲気(分解程度)を高精度にモニタリングする必要があり,新たに水素センサーを設置し調整実験を行った.温度とアンモニア流量を制御して窒素量を変えた組織が得られることが分かった. (2)各種温度で窒化した際の炭窒化物の形成について,熱力学計算ソフトを活用して数値計算予測し,実験による検証を行った.実験値と比較的良い一致を示しε相やγ'相の形成予測を可能にした. (3)Fe-0.2%C材をベースにクロム量を変えた(0.5%,2.0%)材料を溶製し,窒化実験を行った.焼入れ前の組織では,クロム炭窒化物の析出により硬さが向上すること,ならびにクロム含有量の多い材料ほどその硬化程度が大きく,最表面で700HVV程度まで硬化することが判明した. (4)クロム含有鋼を用い,オーステナイト化温度で,純アンモニアガス窒化した後,80℃の油に焼入れする実験を行った.500HV程度しか硬化しなかった.これは十分な窒素が侵入しなかったことが原因で窒化温度を下げた実験についても遂行中である.DLC成膜処理を行ったが,やはり密着性が悪く下地層は十分な浸入窒素と硬さが不可欠であることが再確認できた. (5)クロムの他モリブデンも含有する焼入れ性の高い鋼を用い,量産型の大型炉を用いて,窒化前に浸炭を行い,一度冷却した後,再加熱してアンモニアガスによる窒化処理し,100℃の油に焼入れした試料を作成した.非常に微細な窒素含有マルテンサイトと微細な残留オーステナイトの混合組織に,微細なクロム炭窒化物が分散析出した組織を得ることができた. (6)面圧疲れ試験を行った結果,4GPaを超える高面圧化でのピッチングと呼ばれる剥離寿命が,窒素侵入ならびにDLC成膜処理によって著しく向上することが明らかとなった.
|
Research Products
(7 results)