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2011 Fiscal Year Research-status Report

新規レーザー微細加工技術を利用した液晶ディスプレイ用の機能性拡散シートの開発

Research Project

Project/Area Number 23560882
Research InstitutionNagaoka National College of Technology

Principal Investigator

中村 奨  長岡工業高等専門学校, 電気電子システム工学科, 教授 (10217854)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2014-03-31
Keywordsナノ秒レーザー / 紫外パルスレーザー / PPSシート / 拡散シート
Research Abstract

従来とは異なった新規手法で、かつ簡便に、樹脂シートにストレート穴を所定の密度で形成し、指向性を有する拡散光を作り出すことのできる機能性拡散シートの開発を行った。樹脂シートには、厚さ25μmのPPS(ポリフェニレンサルファイド)シートを採用した。PPSシートは、耐熱性、高温特性に優れ、かつ高い機械的強度を持つ樹脂シートである。短パルス紫外レーザー装置として、米国Advanced Optwave Corp.社製のナノ秒レーザー、Awave355-500mW-6kを導入し、PPSシートに微細穴あけを実施した。 一般的にレーザーによって開けられる貫通穴は、入射面側から出射面側に向かってすぼまっていくテーパー状となる。そしてこのテーパー穴では、高開口率を得ることはできない。高開口率のシートを得るためには、ストレートに近い貫通穴とする必要があるが、この課題に対して、当研究室で開発した裏当て加工を適用した。裏当て加工とは、被加工材の裏面(レーザーが試料を突き抜ける面)に被加工材とは異なる材料を置き、レーザー加工を行う手法である。これにより、被加工材を突き抜けたレーザー光は裏当て材と反応し、ラジカルを含むプラズマが局部的に発生し、出射面側穴径の拡大が図られる。 焦点距離108.3mmの集光レンズを使用し、グリセリンを裏当て材として、PPSシートに紫外レーザー光を照射した結果、入射面側直径で14.8μm、出射面側直径で14.1μmの貫通穴を形成できた。この場合、穴ピッチが20μmであったので、出射面側開口率として44.7%の値となる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

科学研究費補助金が2回に分けて入金されたこと、合わせて短パルス紫外レーザー装置の納入に時間がかかったことなどにより、研究は当初遅れ気味であった。しかしながらこれまで積んできた経験によるスムーズな実験計画と、代替機によるデータ採取を行うことにより、最終的にはほぼ計画通りの研究を進めることができた。年度当初の10mm×10mm程度の小面積に直径50~20μm のストレート穴を開口率50%であけることという目標に対して、直径14μmの貫通穴を開口率44.7%であけることに成功している。

Strategy for Future Research Activity

昨年度導入した短パルス紫外レーザー装置をガルバノメータースキャナと組み合わせて加工光学系を構築する。ガルバノメータースキャナは、ミラーを高速、高精度に駆動させ、光を走査、位置決めするという装置であり、加工領域の大面積化を可能とする。そして、本技術の実用化を前提に、100mm×100mm程度の面積に直径50~20μm のストレート孔を開口率50%であけることを目標とする。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

ガルバノメータースキャナで描画できる加工領域は50mm×50mm程度であるので、大面積(たとえば100mm×100mmの領域)を加工するためには、試料を設置するステージも可動式とする必要がある。そこで次年度では、X-Y軸自動ステージを導入し、ガルバノメータースキャナと組み合わせて大面積の加工を可能とする。

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Published: 2013-07-10  

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