2012 Fiscal Year Research-status Report
傷形状の復元アルゴリズム統合による磁気計測探傷法の新展開
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23560887
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
笹本 明 独立行政法人産業技術総合研究所, 先進製造プロセス研究部門, 主任研究員 (90357129)
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Keywords | 渦電流探傷 / 漏洩磁束法 / 境界積分方程式 / 逆問題 |
Research Abstract |
前年度の成果を引き続き、ラプラス方程式の積分積分方程式に関する議論を海外の研究者と検討し、特異積分方程式を用いる解法 によって空間2次元の表面に垂直亀裂を有する問題と内部にクラックを有する問題について、各々の解の陽的表現を得る事が出来た。 加えて2次元領域の内部に亀裂を有し、その亀裂両端に飛びのあるDirichletデータが与えられたラプラス問題を検討し、これまでに 複雑な条件の下で存在が保証された過去の報告に代え、大幅に簡約化された境界積分表現を得て、ヘルダー連続な関数空間での解の一 意性と可解性を証明した。この成果は国際学術論文誌に投稿し、発表された。また漏洩磁束のモデルの積分表現での妥当な定式化の検討を行った。 これに関連して、表面から垂直に亀裂の入っている平板に流れる電流が表面につくる電位について、境界積分法に基づいて2次元の厳密解を求めることに成功した。これによって傷深さを示す逆問題の解を計算可能な数式で示す事に成功した。その数値計算とあわせて、この成果を国際会議において発表した。会議においては内外の研究者との渦電流探傷およびその逆解析の数値解析のための調査を実施した。前年度の磁場印加部の機構と3次元磁気センサ構造の概念設計に基づいて、より詳細なアンプ回路の設計を行い、3次元のGMRセンサを用いた磁気センサおよびそのアンプ回路を製作した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
年度前半については、理論解析については想定以上の、実験環境についてはぼぼ想定通りの進捗があり、昨年の積み残しであった磁気プローブの製作も実施できた。しかし、11月以後、家族の介護が必要となり、そのために休暇を多く取得し業務時間を短縮せざるを得なくなり、本研究を含めた研究活動の停滞を招いた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画全体から大きな変更はない。3次元GMRセンサを用いた一様磁界プローブの製作も完了したが、プローブのデータ取得と並行して数値計算アルゴリズムの確立を行う。逆解析の手法の確立は、やや困難であるが、最終年度であり、全力を投じて取り組んでゆく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
プローブ製作に600千円程度、数値解析用計算機に850千円程度を使用する。
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