2012 Fiscal Year Research-status Report
粒子分散液流れシミュレーションによる精密ろ過プロセス性能推算法の確立
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23560903
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤田 昌大 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 研究員 (40436530)
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Keywords | ファウリング / 膜細孔径と開口比 / 非球形粒子 |
Research Abstract |
発売が遅れたために昨年度購入できなかった最新型CPU(intel Xeon E5)を搭載したパーソナルコンピュータを購入し,本格的な精密ろ過シミュレーションを開始した.昨年度に開発した非対称膜モデルを用いて,ろ過性能を算出するシミュレーションを続行するとともに,境界条件の変更による,クロスフローろ過および定速ろ過シミュレーションを新たに行った. 今年度の重要な実績として,シミュレーション結果と実験結果の詳細な比較を行ったことがあげられる.実験結果との比較が容易な直円筒細孔膜に対して,細孔径と開口比を変えたシミュレーションと実験を行ったところ,デッドエンドろ過において,シミュレーションと実験から得られた透過フラックスや粒子阻止率の変化が定性的に一致する結果を得た.これによって,本研究で構築した膜ろ過シミュレーション・モデルの妥当性が検証された.同時に,細孔径と開口比の組み合わせによって,ファウリングが原液側膜面から発生する場合と,透過側細孔内から発生する場合の二通りが存在することが確かめられ,ファウリング・メカニズムの解明に一歩近づいたと言える. さらに,非球形粒子の膜ろ過シミュレーションのために,棒/ひも粒子と平板粒子のモデル化を行った.今年度はプロトタイプの完成にとどまったが,来年度は予定通り非球形粒子のろ過性能推算のためのシミュレーションに着手することができる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度,コンピュータの能力が低かったために計画通り実行できなかったシミュレーションが,今年度コンピュータを購入したおかげで計画以上に進捗し,昨年度の「やや遅れている」を取り戻すことができた.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度で研究計画の遅れが取り戻せたので,来年度は予定通り,非球形粒子の膜ろ過シミュレーション,および本研究の最終目的であるファウリング・メカニズムの解明および膜性能推算式の作成と実証に取り組む.今年度行った実験との比較によって,本シミュレーション・モデルの妥当性が検証されたので,次年度はさらに多くのシミュレーションを行うために,最新型のCPUを搭載したコンピュータを一台導入する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度はさらに多くの膜ろ過シミュレーションを行うために,最新型CPUを搭載した90万円程度のコンピュータを一台購入する予定である.また,研究成果の発表のために,国際学会への出張,国内学会への出張,さらに論文投稿のために研究費を使用する予定である.
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Research Products
(11 results)