2012 Fiscal Year Research-status Report
超臨界二酸化炭素を用いたポリマー染着プロセスにおける物性値の解明
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23560905
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
田村 和弘 金沢大学, 自然システム学系, 教授 (20143878)
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Keywords | 化学工学 / 超臨界流体 / 環境技術 / 環境対応 / 高分子構造・物性 |
Research Abstract |
本研究では,超臨界二酸化炭素を用いたポリマー染着プロセス技術の開発に必要となる,超臨界二酸化炭素に対する染料,抗菌性,難燃性,電磁遮蔽性を有する機能性物質の溶解現象のメカニズム,超臨界二酸化炭素雰囲気下でのポリマーの物性値変化および機能性物質のポリマーフィルムへの物質移動現象の解明を明らかにするため,以下の項目について成果を得た.(1)平成23年度に引き続き、アントラキノンを骨格とし,発色団(OHおよびNH2基を付加)を有する分散染料の超臨界二酸化炭素中での溶解度を測定し,溶解度の温度・圧力依存性を明らかにした。(2)IGC法(Inverse Gas Chromatography)による高圧下でのポリマーのガラス転移温度の測定装置を製作・改良し,ポリアクリル酸(分子量=25000)のガラス転移温度を測定し,圧力依存性および分子量依存性について明らかにした.その結果,ポリアクリル酸のガラス転移温度は圧力増加とともに減少した.また,分子量=5000,25000のポリアクリル酸ガラス転移温度を比較すると,分子量の増加とともにガラス転移温度の変化は小さくなること分かった.以上から,超臨界二酸化炭素―機能性物質分散染料(分散染料)間の溶解性,超臨界二酸化炭素中でのポリマー(ポリアクリル酸)構造変化を明らかにした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画に従って,順調に実施項目を終了しており,研究成果を得ている.
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Strategy for Future Research Activity |
今後も引き続き実施計画の基づき,超臨界二酸化炭素を用いたポリマー染着プロセス技術開発に必要となる,超臨界二酸化炭素中での機能性物質の溶解性およびポリマーの物性変化のメカニズムを明らかにする.そのため,引き続き,超臨界二酸化炭素中での機能性物質の溶解度およびポリマーのガラス転移温度を測定し,データを蓄積するとともに,ポリマー中への拡散メカニズムについて検討していく予定にしている.そして,超臨界二酸化炭素と機能性物質間の相互作用や超臨界二酸化炭素ー機能性物質ーポリマー間の物質移動現象をミクロ物性からバルク特性まで明らかにしたい.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
引き続き研究計画に基づき,超臨界二酸化炭素に対する機能性物質の溶解減少および超臨界二酸化炭素雰囲気下でのポリマーの物性変化のメカニズムを明らかにするため,超臨界二酸化炭素中での機能性物質の溶解度,ポリマーへの機能性物質の拡散およびポリマーのガラス転移温度などの測定データを得るために必要な物品の購入を行う.また,得られた成果の公表のため,学会等の発表の旅費などに使用する予定である.
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Research Products
(6 results)