2013 Fiscal Year Annual Research Report
相界面形成による乾燥促進効果の解明とその工学的応用
Project/Area Number |
23560912
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
山村 方人 九州工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90284588)
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Keywords | 塗布膜 / コーティング / 相分離 / 乾燥促進 / 高分子溶液 / 蛍光イメージング |
Research Abstract |
酢酸酪酸セルロース(CAB)のメチルエチルケトン溶液に末端をヒドロキシル基で修飾したポリジメチルシロキサン(PDMS)を添加すると、乾燥後期の溶媒乾燥速度が無添加の場合と比べて47%増加することを前年度までに見出しており、乾燥促進率50%を示す溶液系を見出すという当初の目的を達成した。また新規に開発した乾燥中の蛍光イメージング技術を活用することで、相界面に溶媒集積層が形成される様子を可視化することに成功したが、対象系が一部の溶液に限定されていた。そこで本年度はこうした成果の一般化を目指して異なる末端基を有するPDMSの添加した場合、及び、親水性の大きく異なる溶媒を用いた場合について、乾燥速度の高精度計測と蛍光イメージングの同時測定を実施した。なかでも溶媒集積層が隣接相と大きく異なる蛍光強度を示す高分子と溶媒の組み合わせに着目して特に検討を進めたところ、添加物質としてシラノール基を末端に有するPDMSを、溶媒としてテトラフドロフランを用いた場合に、前年度と比べてより鮮明なコントラストを有する蛍光画像を得ることに成功した。また乾燥進行に伴う溶媒集積層の形成過程を蛍光強度解析を用いて定量化したところ、相分離構造の成長がほぼ終了した乾燥時刻において最も顕著な集積層が存在することが確認された。これは前年度までの結果を定性的に一致しており、溶液系における溶媒集積現象の一般的存在を示す結果と考えられる。
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Research Products
(14 results)