2013 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロリアクター内のソノケミストリーとソノルミネッセンスの研究
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23560917
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
畑中 信一 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 助教 (40334578)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻内 亨 独立行政法人産業技術総合研究所, 計測フロンティア研究部門, 主任研究員 (70357515)
安井 久一 独立行政法人産業技術総合研究所, 先進製造プロセス研究部門, 主任研究員 (30277842)
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Keywords | マイクロリアクター / ソノケミストリー(超音波化学/音響化学) / 音響キャビテーション / ソノルミネッセンス(音響発光) / ソノケミルミネッセンス(音響化学発光) / シングルバブル / 気泡ダイナミクス / OHラジカル定量 |
Research Abstract |
ソノケミストリー(超音波化学)として知られる、液体への強力超音波照射による化学効果を、マイクロリアクター内で生じさせることを目的とし、その反応場をスケールダウンしたときの影響について検討した。平成25年度は、断面の寸法が0.1 mm × 0.1 mmであるマイクロ流路を用い、その1次元的(1D)な反応場が、通常の3次元的(3D)な反応場と比べて、反応効率がどのように変わるかを定量的に調べた。反応量の指標として、ルミノール水溶液を用いた音響化学発光(SCL)を光検出器(光電子増倍管)によって検出し、その単位体積あたりのSCL発光強度を1Dと3Dで比較した。その結果、それぞれの反応効率の比(SCL強度比)は、溶存ガス度と超音波パワー密度に大きく依存することがわかった。溶存ガス度が大きく(大気圧下の溶存ガス飽和度(DOS)を1としたとき、DOS=1.20、マイクロ流路内では高圧になるのでDOS=0.599に相当)、超音波パワー密度が小さいとき(約1 W/cm2)、1Dの効率は3Dの約15倍という値を示した。一方で、3Dが1Dより有効となる条件も限定的ながら存在した。そのときの超音波パワー密度は1Dが有効となる値より高く、DOSについては1Dが有効となる値より低かった。 また、平成23、24年度に引き続き、シングルバブルでの検討も行った。すなわち、ソノケミストリーの反応源である気泡(キャビテーション気泡と呼ばれる超音波と同期して呼吸振動する微小な気泡で、崩壊時には瞬間的に数千度・数百気圧以上に達する気泡)について、単一の気泡で、その化学効果を実験的に調べた。水溶液中のシングルバブルによって生じるOHラジカル量の定量、気泡内の高温高圧場の指標となるソノルミネッセンスの測光、および、対応する気泡ダイナミクスの観察を行った。非常にテクニカルな実験であるが、これまでの研究の再現性を確認した。
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Research Products
(14 results)