2013 Fiscal Year Annual Research Report
微小流路による電気銅めっき添加物の吸脱着速度解析とめっき析出形状予測法の確立
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23560922
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
齊藤 丈靖 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70274503)
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Keywords | 銅めっき / 添加剤 / ポリエチレングリコール / 塩化物イオン / 臭化物イオン / EQCM / 吸脱着 |
Research Abstract |
微小流路型反応器を用いてめっき液を瞬時に切り替え、切り替え前後での電流密度変化から、モデル式を用いて有効表面被覆率(θEFF)とPEG吸着速度定数(ka)を求めた。めっき液中のCl-濃度を変化させた結果では、Cl-濃度の増加に伴いPEG吸着速度定数kaはわずかに上昇したが、定常状態での有効表面被覆率(θEFF,SS)は0.5でほぼ一定であった。また、Cl-濃度100 ppm以上でPEG吸着速度定数kaは約0.07 s-1でほぼ一定であった。Cl-系については、測定条件を拡大し、また、脱着速度評価と多成分系での実験を進めたが速度定数の抽出までは至らなかった。 Br-/PEG系においてはCl-/PEG系に比べて定常状態での有効表面被覆率θEFF,SSは増加したが、PEG吸着速度定数kaは減少した。以上から、極短時間での銅めっきで抑制効果の発現にはCl-を、比較的長時間での抑制にはBr-が有効であると思われる。昨年と比較して、Br-濃度範囲を拡大させ、モデル化の領域を拡大させた。 EQCMによる結果では、PEG濃度が大きいほどPEG吸着重量は増加した。重量変化から求めた被覆率と、電流密度変化から求めた被覆率はほぼ同等であった。Cl-/PEG系と同様にBr-/PEG系においてもPEGの電流遮蔽効果は吸着量にほぼ比例すると考えられる。また、Cl-/PEG系と比べたBr-/PEG系における電流遮蔽量の増加が吸着重量の増加によるものであることが確認できた。銅めっきにおける添加物の効果をPEG吸着量という観点からまとめて、吸着速度式を定式化した。また、ハロゲンの効果を定量的に明らかにして銅めっきにおける添加物の意味・制御指針を提示することができた。一方、申請時には想定しなかったが、有機成分の吸着による電位変化を測定するために電気化学顕微鏡による評価の準備を行った。
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Research Products
(6 results)