2013 Fiscal Year Annual Research Report
超臨界二酸化炭素流体を活用したコアシェル型金属ナノ微粒子のシェル構造制御
Project/Area Number |
23560924
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Research Institution | Hachinohe National College of Technology |
Principal Investigator |
村上 能規 八戸工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (70293256)
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Keywords | レーザアブレーション / 超臨界二酸化炭素 / 金属ナノ微粒子 / コアシェル構造 / 多環芳香族化合物 |
Research Abstract |
水中の金属板へのレーザ集光照射により生成する金属ナノ微粒子においては金属ナノ微粒子に固有のプラズモン吸収が紫外、可視領域に存在が実験により、確認できたが、超臨界二酸化炭素にトルエン等の有機溶媒を溶解させ、レーザーを集光照射すると、金属ナノ微粒子の存在は確認できたにもかかわらず、プラズモン吸収が消滅することが明らかとなった。これはそこで、このようなプラズモン吸収の消滅がどのような炭化水素類で起きるのか、アルコール類、アセトン、ヘキサン、トルエン、アルコール類等で調べた。その結果、アルコール類において、プラズモンのピークが残存し、水と同様の結果が得られた。このことから、レーザアブレーションによる金属被覆に水素結合の有無が大きく影響している可能性が示唆された。また、超臨界二酸化炭素状態から、常温、大気圧下で液体状態にして有機溶媒でレーザアブレーションを行うと、プラズモンの吸収ピークに肩ができ、生成する炭素膜が不均一になっている様子が確認できた。有機溶媒から、炭素が金属ナノ微粒子の表面に被覆されるメカニズムを調べるために、有機溶媒(トルエン等)を超臨界二酸化炭素に溶解させた状態でレーザを集光照射して、何が起こるかを観察した。その結果、これまで350nmで励起しても蛍光を出さなかった有機溶媒が強い蛍光を発するようになった。GC-MSで調べた結果、多環芳香族化合物の生成が確認され、このような多環芳香族化合物が金属ナノ微粒子の炭素被覆の前駆体となっていることが示唆された。最後に、この炭素の成分を調べるために、金属またはガラス基板にレーザ集光操作で炭素を析出させ、析出した炭素のラマン測定を行った。最後に、G bandおよびD bandのラマン信号強度比から、レーザで析出してできる被覆炭素の構造について考察した。
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Research Products
(4 results)