2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23560928
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
一國 伸之 千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40261937)
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Keywords | ナノクラスター / ニッケル触媒 / 酸化コバルト触媒 / XAFS / TEM / コロイド |
Research Abstract |
本研究は,アルコキシド還元法を用いて,ニッケルナノクラスター(Ni-NC),酸化コバルトナノクラスター(CoOx-NC)を調製し,Ni-NCやCoOx-NCのサイズ制御ならびに触媒活性のサイズ依存性に関する知見を得ようとしたものである [1] ニッケル塩をNaHと2-ROHの組み合わせにより還元,保護することでNiコロイドを合成し,これをアルミナ上に担持することで担持Ni-NCを得た。反応条件の制御により,担持Ni-NCの平均粒径を制御することに成功した。Ni-NCの化学状態は,X線吸収スペクトル(XAFS)から0価のNiであることが明らかとなり,また粒径はXAFSと透過型電子顕微鏡(TEM)像により求められた。粒径が2.7-3.2 nmの範囲で制御された担持Ni-NCを用いて水性ガスシフト反応を行ったところ,粒径2.9 nmのものが最大活性を示し,それより小さいものでも大きいものでも活性は低下した。このような火山型の触媒活性が発現した原因は,表面露出Ni種の割合だけではなく,アルミナ近傍に位置するNiとそれ以外の部位に存在するNiとでCOとの反応性が異なっており,これら両効果によるものと結論づけられた。 [2] コバルト塩をNaHと2-BuOHの組み合わせにより還元,保護することでCoコロイドを合成し,これをシリカ上に担持後,酸素処理することで担持CoOx-NCを得た。これにより,2-5 nmでサイズ制御したCoOx-NCを得ることができた。一酸化炭素の酸化反応を行ったところ,粒径に対して火山型の触媒活性が発現することが見出された。また,酸化処理温度による活性の変化から,ナノ粒子のサイズが一定でもNC表面のCo種の化学状態が変化することで酸化反応活性に影響を与えることが明らかになった。
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