2011 Fiscal Year Research-status Report
開脚型ピラー錯体を利用した層状無機結晶空間への不斉触媒反応場の創製
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23560929
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
島津 省吾 千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10178957)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 固体不斉触媒 / ロジウム錯体 / インターカレーション / ジアミン配位子 / ジホスフィン配位子 / 粘土鉱物 / 不斉ピラー錯体 / 不斉水素化 |
Research Abstract |
1. ピラー配位子と開脚型ピラー錯体とその層間固定化触媒の合成 1)ジアミン型:1,2-Cyclohexanediamineからtrans-N,N’-dialkyl- 1,2- cyclohexanediamine(Cn-(-)-CHDA)を合成した(n=0~18)。これを用いて不斉Rh(I)ピラー錯体(Rh-Cn-(-)-CHDA)を合成し、さらに層間固定化触媒Rh-Cn-(-)-CHDA/TNとした。固定化触媒の層間隔(d001)は1.93(n=0) ~3.87 nm(n=18)であった。nとd001との関係は直線関係になり、CH2当たり0.14 nmの層間が拡大した。2) L-プロリン誘導体型:L-プロリン誘導体の配位子からRh-Cn-AMP/TN(n=8, 12)を合成した。そのd001は2.20, 3.09 nmであった。3)ジホスフィン型: L-酒石酸を出発物質として、DIOPのphenyl基に直鎖炭素鎖を付けたCn-DIOP配位子の合成を行った。2.不斉ピラー錯体層間固定化触媒によるケトンの不斉水素化反応 1)ジアミノ型:アセトフェノンの水素化反応において(303 K, H2 3 MPa, MeOH中)、Rh-Cn-(-)-CHDA/TN触媒では、n=6~18の長鎖になると、19~50%の不斉選択性を示し、何れも均一系触媒とほぼ同等の活性であるが、より著しく高選択性であった。また、Rh-C14-(-)-CHDA/TN触媒で(263 K)では、o-methyl, o-methoxyacetopheneの水素化で、それぞれ、73, 74%eeの高不斉選択性を示した。2) ) L-プロリン誘導体型:Rh-C8-AMP/TNがC12より高い不斉選択性を示し、o-methylacetopheneの水素化(263 K)で、最高55%eeの不斉選択性を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1.触媒合成について 1)ジアミン型錯体および層間固定化触媒の合成については、ほぼ100%の達成度である。2)プロリン型錯体の層間固定化触媒については、現在C8, C12のみが合成できており、今後、炭素数をC16まで増やす予定であることから、ほぼ70%達成した。3)ジホスフィン配位子では、Pに直接アルキル鎖を結合するのではなく、フェニル基を介して炭素数を増加させる方法を確立した。今後、フェニル基を介して、炭素数を増加させる方法である。ほぼ、予定通りである。2.触媒反応について 1)ジアミン型の触媒については、n=0~18までのRh-Cn-(-)-CHDA/TN触媒を用いたアセトフェノンの水素化反応を行った。今後、より詳細な反応条件(反応温、反応溶媒、水素圧)などの諸条件を検討する必要がある。達成度90%。2)プロリン型触媒については、炭素数n=8, 16のRh-Cn-AMP/TN触媒を用いてケトンの水素化を行った。今後、炭素数を変えた触媒を用いて触媒反応を行い、また、反応条件を検討する必要がある。3)ジホスフィン型触媒は、今回合成のみであり、今後合成した触媒を用いた反応を行う。
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Strategy for Future Research Activity |
1.触媒合成について 1)ジアミン型錯体および層間固定化触媒の合成については、ほぼ100%の達成度しており、今後、分取液クロマトを用いてより精製した高純度な配位子を用いた触媒を合成する予定である。2)プロリン型錯体の層間固定化触媒については、現在C8, C12のみが合成できており、今後、炭素数をC16まで増やす予定である。この配位子合成についても、分取液体クロマトグラフを用いて高純度の精製した配位子を合成して、層間固定化触媒を得る予定である。3)ジホスフィン配位子では、Pに直接アルキル鎖を結合するのではなく、フェニル基を介して炭素数を増加させる方法を確立した。今後、フェニル基を介して、炭素数を増加させる方法である。この配位子合成についても、従来のカラム精製から、液体クロマトグラフを用いた精製法を用いた高純度な配位子を得る予定である。2.触媒反応について 1)ジアミン型の触媒については、n=0~18までのRh-Cn-(-)-CHDA/TN触媒を用いたアセトフェノンの水素化反応を行った。今後、より詳細な反応条件(反応温、反応溶媒、水素圧)などの諸条件を検討する必要がある。さらに、触媒再利用などの安定性についても検討を加える。2)プロリン型触媒については、炭素数n=8, 16のRh-Cn-AMP/TN触媒を用いてケトンの水素化を行った。今後、炭素数を変えた触媒を用いて触媒反応を行い、また、反応条件を検討する必要がある。この触媒系についても、触媒再利用などの安定性についても検討を加える。3)ジホスフィン型触媒は、今回合成のみであり、今後合成した触媒を用いた反応を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
1.触媒合成について 不斉触媒では、その配位子の純度が不斉選択性の性能に大きく影響を与える。よって、不斉ピラー配位子の精製に液体クロマトグラフで分取する方法を用いる予定である。そのために、液体クロマトグラフのカラムの購入に研究費を充当する予定である。2.触媒反応について 種々の基質を用いた反応を行う予定である。主に基質の購入に研究費を充当する予定である。
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Research Products
(7 results)