2013 Fiscal Year Annual Research Report
炭素アロイ電極による酸素還元反応機構の解明と電極性能の改良を目指した研究
Project/Area Number |
23560934
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
小林 久芳 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 教授 (40128690)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山邊 時雄 長崎総合科学大学, 付置研究所, 教授 (80025965)
湯村 尚史 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 准教授 (80452374)
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Keywords | 含窒素炭素電極 / 酸素還元反応 / DFT計算 / 電気化学への応用 |
Research Abstract |
最終年度は再度、Pt電極に着目し、CN基で修飾されたPt電極について研究を行った。直接メタノール型燃料電池ではメタノールの酸素極への拡散の問題が顕在化してくる。このためにメタノールが酸素極上で酸素と反応し、ORRを阻害してしまう。提案されている1つの対処法は、酸素極のPtをCN基で修飾するというものである。 DFT計算はクラスターモデルと周期モデルの2通りを行った。前者では2層から成るPt20クラスターの周辺に6個のCN基を結合させ(このモデルをPt20(CN)6と表す)、その中心部のCN基が結合していない3個のPt原子が並んだサイト(Pt-Pt-Pt)が活性点である。計算では、通常の白金電極とCN修飾電極へのメタノールとO2分子の吸着エネルギーを計算し比較した。また、CO吸着により電極触媒の被毒が問題となるのは燃料極であるが、拡散したメタノールが空気極で分解すると最終的にはCOが生成するのでCO分子も含めた。 中性のPt20(CN)6への吸着では、逆にメタノールが安定化してしまい、CN修飾の効果は現れなかったが、-6の電荷をもつアニオンクラスターでは、O2の吸着はわずかに低下するが、メタノールやCOの吸着はより大きく弱まる結果が得られ、実験結果を再現した。 さらにメタノールについては、吸着後、O-H、C-H結合が開裂する過程の相対エネルギーを計算し、CN修飾の効果について調べた。O-H結合開裂では相対エネルギーが高く(反発的に)なることからメタノールの解離反応が進行しにくくなることが示された。中性モデルを用いたC-H結合開裂では逆に相対エネルギーが低くなりCN修飾効果が現れなかった。しかし、アニオンクラスターでは、C-H結合開裂の抑制と、解離生成物の不安定化が得られた。アニオンモデルは、CN基の電気的陰性により、妥当であると考えられる。
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Research Products
(4 results)