2012 Fiscal Year Research-status Report
金属ナノ粒子の局在表面プラズモン共鳴を利用する新規光触媒材料の創製
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23560935
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
古南 博 近畿大学, 理工学部, 准教授 (00257966)
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Keywords | 金ナノ粒子 / 表面プラズモン吸収 / 光触媒 / 可視光 / コロイド / 酸化セリウム / 酸化チタン |
Research Abstract |
表面プラズモン共鳴(SPR)による吸収とは金属の微粒子が特定の波長の光を吸収すると、金属微粒子の大きさや種類により色が異なって見えることである。通常、金属中の電子は光と相互作用しないが、金属表面やナノ微粒子中の電子は、ある条件で光と相互作用する。我々は、Au担持酸化セリウム(CeO2)がSPRによる強い吸収を示し、この触媒系が緑色光の照射下において,水中有機化合物を完全に無機化することを見出した。しかし、Auの粒子径や酸化物の物性が異なるため、これらの光触媒活性に差異が発現する理由は明らかになっていない。 本研究では、物性制御したTiO2上に均一なAuコロイド粒子を安定に担持することを試み、シュウ酸を正孔捕捉剤とする光析出法により、Auコロイド粒子を安定に担持できること、また、非常に強いSPR吸収を示すこと、を見いだした。さらに、水素生成に優れた助触媒作用を示す白金ナノ粒子をあらかじめTiO2上に担持させておくことにより、Auコロイドと白金ナノ粒子を個別担持させることに成功した。このAu/TiO2-Ptは、各種犠牲試薬存在下、可視光照射下において、水素を生成した。つまり、SPR型Au/TiO2光触媒の機能化に成功した。この手法により合成されたAu/TiO2-Agは、可視光照射下において、ニトロベンゼンと2-プロパノールの反応によるアニリンとアセトンの同時合成にも高い光触媒活性を示した。 多段階光析出法によりAuナノ粒子をCeO2に固定化することにより強いSPR吸収を示すAu/CeO2の合成に成功し、これが、各種ベンジルアルコール類を選択的に対応するアルデヒドに酸化することを見いだした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度以降2年間の実施計画は以下の通りである。1)金属ナノ粒子/金属酸化物半導体による選択的反応、2)金属ナノ粒子/金属酸化物半導体による可視光光触媒反応の機構解析、3)金属ナノ粒子/金属酸化物半導体による全可視光吸収化、4)金属ナノ粒子/金属酸化物半導体の長波長応答化(近赤外化)、5)金属ナノ粒子/金属酸化物半導体電極触媒の作製と光エネルギー変換 平成24年度において、1)に関する成果が多く得られ、SPR型光触媒の可能性を大幅に拡張することができた。2)においても、機構解析に基づき、SPR型光触媒の機能化に成功した。現在、3)および4)おいても良好な結果が得られている。また、5)については平成25年度より開始する。 以上の結果より、研究はおおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究は計画通りに進捗している。平成24年度以降の研究計画、3)金属ナノ粒子/金属酸化物半導体による全可視光吸収化、4)金属ナノ粒子/金属酸化物半導体の長波長応答化(近赤外化)、5)金属ナノ粒子/金属酸化物半導体電極触媒の作製と光エネルギー変換、を遂行する。 3)に関する成果について、現在、学術論文にまとめている。4)についてはAuナノロッドの作成を手がけている。1)~4)の成果を5)の研究に反映させる予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度交付内定額(1200千円)は申請額(1500千円)より減額されているので、消耗品費を圧縮して対応する。つまり、消耗品費 :600千円、旅費:400千円、謝金:200千円を計画している。 なお、平成24年度未使用分は、既に物品費として発注済みである。
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Research Products
(15 results)