2013 Fiscal Year Annual Research Report
金属ナノ粒子の局在表面プラズモン共鳴を利用する新規光触媒材料の創製
Project/Area Number |
23560935
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
古南 博 近畿大学, 理工学部, 准教授 (00257966)
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Keywords | 金ナノ粒子 / 表面プラズモン共鳴 / 光触媒 / 可視光 / 酸化チタン |
Research Abstract |
Auプラズモニック光触媒に助触媒を導入し、その機能化について評価した。 Auと助触媒であるPtを分離担持したAu/TiO2-Ptを用いた、6価クロムイオン(Cr6+)共存下おける水の酸化反応によるO2生成反応を行ったところ、Cr6+の減少と3価クロムイオンの生成が確認され、同時に化学量論通りのO2が生成した。また、本触媒を用いたO2生成反応におけるアクションスペクトルを測定したところ、Auの表面プラズモン共鳴(SPR)吸収とよく似た傾向となることから、O2生成がSPR吸収により誘起された光触媒反応であることがわかった。したがって、Auプラズモニック光触媒は水を酸化し、O2を生成することができる高い酸化力を有すると結論した。 つぎに、Au粒子と金属助触媒サイトを分離しないAuコア-パラジウム(Pd)シェル粒子担持TiO2(Au@Pd/TiO2)の調製を検討した。この触媒系の機能を評価するためにクロロベンゼンのベンゼンへの還元的脱塩素反応を行った。可視光照射下ではAuを0.8 wt%、Pdを0.2 wt%担持した触媒が最も高いベンゼン生成量を示した。また、Pdを0.2 wt%以上担持すると、逆にベンゼン生成量が減少し、1.0 wt%まで増加させると、暗中の場合とほとんど同じベンゼン生成量となった。過剰のPdはAuのSPR励起を抑制し、もはや、Auプラズモニック光触媒として機能しなくなることを示している。したがって、Auと助触媒の非分離型Auプラズモニック光触媒によるクロロベンゼンのベンゼンへの脱塩素反応を達成し、光吸収の維持が重要であると結論した。 以上の結果より、Auと助触媒を分離もしくは分離しないでTiO2上に共存させることでAuプラズモニック光触媒の機能化を達成した。
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Research Products
(14 results)