2012 Fiscal Year Research-status Report
放出制御型リポソームを利用したフラーレン積層型光電変換素子の開発
Project/Area Number |
23560938
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Research Institution | Kumamoto Industrial Research Institute |
Principal Investigator |
城崎 智洋 熊本県産業技術センター(ものづくり室、材料・地域資源室、食品加工室), その他部局等, 研究員 (70554054)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永岡 昭二 熊本県産業技術センター(ものづくり室、材料・地域資源室、食品加工室), その他部局等, その他 (10227994)
高藤 誠 熊本大学, 自然科学研究科, 准教授 (50332086)
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Keywords | リン脂質 / リポソーム / ジスルフィド結合 / 酸分解性 / エステル結合 / 有機薄膜太陽電池 / フラーレン / 放出制御 |
Research Abstract |
リポソームはドラッグデリバリーシステム等に応用が期待されているが、内包した物質を放出する機能に大きな課題を残している。本研究ではリポソームを形成するリン脂質の長鎖アルキル基にジスルフィド結合部位を導入することにより、酸性条件下で分解し、リポソームが壊れて内包している物質を放出する放出制御型リポソームを開発し、有機薄膜太陽電池に用いるフラーレンを内包させて用いる。pHに応答して内包物を放出するため、基板に成膜後に酸で洗浄することで内包物を放出させることが可能であり、また生体系においても細胞導入時のエンドソームによってpHが低下することによってリポソームが壊れ、内包物を放出することができる。放出制御リポソームを調製し、その形態について以下のように検討を行った。また、フラーレンやカルセイン色素の内包化を行い、形態についての検討やpHの影響について検討を行った。 1)合成した酸分解性リン脂質をエバポレーターを用いてナス型フラスコ内で薄膜化させた。 2) pHを7.4に調整した水を加え、55℃に加熱しながら水和させ、リポソームを調製した。 3) フラーレン等を内包させる場合は1)の時点でフラーレン溶液を加えた後に薄膜化させた。 得られたリポソームはpHの低下によって壊れ、リン脂質が分解していると考えられた。また、ゲルろ過を行う事により、内包されなかったフラーレンやカルセインを除去することができた。蛍光スペクトル測定によって内包化と放出について検討したところ、pHの低下に伴い、蛍光が減少する傾向が観られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画では酸分解性リン脂質を用いて調製したリポソームの,pHを酸性領域に変化させた際のリ形態変化と内包物の放出について,電子顕微鏡観察、紫外可視分光光度法や蛍光スペクトル測定によって調査すし、また、フラーレン等を内包させたリポソームを調製し、分光学的手法によって内包状態および放出について検証するということになっており、その通りに進行しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度に得られた結果を元にして、光電変換素子を作製する。ITOガラス上にチタン酸テトライソプロピルをスピンコートしてから大気中に静置することにより,ホールブロック層となるTiOx層を形成する。この上に、フラーレンを内包させた放出制御型リポソーム溶液を,スピンコートやインクジェット等の手法によって塗布し、乾燥させる。これを酸性水溶液で処理することでリポソームを分解・除去した後、乾燥させることでn型半導体層であるフラーレン層を形成する。この上に、p型半導体ポリマーであるP3HTのクロロベンゼン溶液をスピンコートしてから乾燥させる。さらに,ホール輸送層であるPEDOT:PSS層を形成後,蒸着によって電極を形成することにより、光電変換素子を作製する。得られた光電変換素子を太陽電池評価装置によって、変換効率、短絡電流、開放電圧、FF等を求め、評価を行う。また,フラーレンの誘導体を合成し、最適な構造のフラーレンを用いることによって素子の性能の向上はかる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
有機薄膜太陽電池を作製するのに必要な試薬類、透明電極、金属類を購入する。また、リポソームを調製するのに必要なガラス器具類を購入する。リポソームや太陽電池に関する情報収集や成果発表のために学会に参加する予定であり、そのための旅費や参加登録費を使用する。
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Research Products
(14 results)