2013 Fiscal Year Annual Research Report
抗菌米タンパク質成分のヒト病原菌に対する殺菌作用機構の解明と食品医薬品への応用
Project/Area Number |
23560939
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
谷口 正之 新潟大学, 自然科学系, 教授 (00163634)
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Keywords | 抗菌ペプチド / 作用機構 / 歯周病菌 / 日和見感染菌 |
Research Abstract |
米タンパク質由来の抗菌ペプチドの探索およびそれらのヒト病原菌に対する抗菌作用機構の解明について検討し、以下の結果が得られた。 1.米タンパク質由来の抗菌ペプチドを探索した結果、酵素由来のCL(14-25)、ヒートショックタンパク質由来のHsp70(241-258)、α-アミラーゼ由来のAmyI-1(175-192)などを見出した。CL(14-25)は歯周病菌に対して抗菌活性を示した。Hsp70(241-258)は、歯周病菌と日和見感染真菌に対して抗菌活性した。AmyI-1(175-192)は、歯周病菌とニキビ菌に対して高い抗菌活性を示し、また日和見感染細菌、日和見感染真菌、侵襲性歯周炎原因菌、う蝕菌などに対しても抗菌活性を示した。 2.抗菌ペプチドの歯周病菌や日和見感染真菌に対する抗菌作用機構を解明するために、蛍光色素であるdiSC3-5を用いた細胞膜脱分極アッセイ、Calcein-AMを用いた細胞膜透過アッセイおよび蛍光色素であるPropidium iodideを用いた核酸染色アッセイについて検討した。その結果、CL(14-25)とHsp70(241-258)は細胞膜を破壊することによって殺菌活性を示すことがわかった。 3.抗菌ペプチドの細胞内標的を明らかにするために、無細胞タンパク質合成系を利用したアッセイシステムおよびルシフェラーゼを用いた折りたたみを判定するシステムを開発した。すなわち、抗菌ペプチドがタンパク質合成の転写、翻訳、折りたたみのどの段階を阻害するのかを判定できるようになった。実際に、AmyI-1(175-192)は翻訳ステップと折りたたみステップを阻害することを新しく解明した。
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Research Products
(7 results)