2011 Fiscal Year Research-status Report
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23560950
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Research Institution | Kobe College |
Principal Investigator |
寺嶋 正明 神戸女学院大学, 人間科学部, 教授 (30172092)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 抗酸化性 / 動物細胞 / 食品 / ミオグロビン |
Research Abstract |
1. 培養細胞を用いたペルオキシラジカルに対する抗酸化性評価 ヒト肝臓由来HepG2細胞を利用し、ペルオキシラジカルに対する抗酸化性を評価した。カテキン類、ルチン、ケンフェロール、クエルセチンなどのフラボノイドに対して、平成23年度に購入した蛍光プレートリーダーを用いて、細胞内での抗酸化性を測定した。ミオグロビン法による評価結果と比較することで興味深い相関性が観察された。両方の方法で高い抗酸化性を示すもの、ミオグロビン法では低い評価しか得られないが、動物細胞を用いた方法では高い抗酸化性が見られるもの、ミオグロビン法では高く評価されるが、動物細胞を用いた方法では低い抗酸化性しか見られないものの3グループに分類できた。これらはミオグロビン法では試験内での化学的反応を反映したものであるのに対して、動物細胞法では細胞表面の受容体との相互作用、抗酸化性物質の細胞膜透過性などの影響も強く受けるためであると考えられた。したがって、この2つの方法の相関関係を詳細に検討することで、抗酸化性物質の動物細胞での作用機序に対する予想が可能になると期待できる。ミオグロビン法で高い抗酸化性が認められたゴボウとホウレンソウについて、動物細胞を用いて抗酸化性を評価した。これらは動物細胞法でも高い抗酸化性が見られた。2.培養細胞を用いたパーオキシナイトライト、次亜塩素酸イオン、ヒドロキシラジカルに対する抗酸化性評価法の確立 動物細胞を用いて、パーオキシナイトライト、次亜塩素酸イオン、ヒドロキシラジカルの抗酸化性を評価する方法について検討する予定であったが、1.の研究で予想していなかった興味深い相関性が観察されたため、抗酸化性物質の疎水性度の検討などを行った。そのため、これらの点については平成24年度以降に行うこととした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
動物細胞を用いて、パーオキシナイトライト、次亜塩素酸イオン、ヒドロキシラジカルなどの活性酸素種に対する抗酸化性を評価する方法について検討する予定であったが、ミオグロビン法による抗酸化性の評価結果と動物細胞を用いた抗酸化性の評価結果との間で、予想していなかった興味深い相関性が観察されたため、抗酸化性物質の疎水性度の検討などを行った。そのために、他の活性酸素種を用いた抗酸化性評価法に関する実験には着手できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
培養細胞を用いたパーオキシナイトライト、次亜塩素酸イオン、ヒドロキシラジカルに対する標準物質(フラボノイド類、カテキン類)などの抗酸化性評価を行う。当初はリアルタイムRT-PCR法を用いた遺伝子解析条件を検討する計画であったが、ミオグロビン法による抗酸化性評価と動物細胞を用いた抗酸化性評価との相関関係を詳細に検討することで、食品中の抗酸化性物質の細胞内での作用機序に関する予測が行える可能性が出てきたため、実験結果によっては研究計画を変更することも考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初の計画と変更はほとんどない。物品費は培地用試薬、プラスチック類などの消耗品を購入する。また、研究成果の一部を発表するために学会出張に使用する予定でいる。
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