2011 Fiscal Year Research-status Report
減圧気相環境における固定化酵素によるクリーンバイオプロセスの開発
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23560953
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Research Institution | Kochi National College of Technology |
Principal Investigator |
長山 和史 高知工業高等専門学校, 物質工学科, 准教授 (00270364)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 減圧気相環境 / 固定化酵素 / バイオプロセス / ケトン還元反応 / キラルアルコール |
Research Abstract |
本研究は,減圧環境下における気相媒体での固定化酵素による新規なクリーンバイオプロセスの特徴を工学的な側面から先駆的に把握し、本法を用いるバイオプロセスを構築する上での基礎を確立することを目的とする。本研究の目的を達成するために,(1)反応活性を発現する酵素起源の検討、(2)高効率な物質生産が実現できる反応系の検討、(3)固定化酵素担体の検討、(4)最適な反応条件の確立、(5)バイオリアクターの基礎設計に取り組むものとする。 平成23年度は,研究計画(1),(2),(3)を鋭意遂行した。まず,研究計画を遂行するにあたって,減圧気相環境を実現できるガラス製の反応装置を試作し,これにオンライン自動ガスクロマトグラフィーを接続することにより生成物と未反応物の連続的な定量操作を確立した。また,モデル反応として,アルコール脱水素酵素を触媒としたケトン還元反応を通じたキラルアルコールの生産を選定した。 研究計画(1)では,Parvibaculum lavamentivorans起源のアルコール脱水素酵素がケトン還元反応を効果的に触媒することを見出した。一方,パン酵母起源,Deincoccus radiodurans起源の酵素では反応の進行が認められなかった。 研究計画(2)では,4-メチル-2-ペンタノンを基質とした反応系においてParvibaculum lavamentivorans起源のアルコール脱水素酵素が効果的な反応活性を示すことを見出した。 研究計画(3)では,固定化担体として非多孔性のガラス粒子が固定化酵素調製やハンドリングの面で最適であることを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的を達成するための研究項目,(1)反応活性を発現する酵素起源の検討、(2)高効率な物質生産が実現できる反応系の検討、(3)固定化酵素担体の検討、(4)最適な反応条件の確立、(5)バイオリアクターの基礎設計の中で,研究計画通り,平成23年度は研究項目(1),(2),(3)を達成した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は、平成23年度の研究成果の問題点を継続して検討しつつ、研究計画(4)に着手するものとする。 研究計画(4)に関しては、反応活性に影響を与える因子として反応器内の減圧度、水分量、基質濃度並びに反応温度に着目し、各々の操作因子をパラメーターとして反応活性を評価する。また、固定化担体あたりの酵素濃度や補酵素濃度を指標として反応活性を評価する。 一方、速度論解析を行い、速度定数を通じて固定化酵素の反応活性を定量的に評価する。加えて反応活性の安定性を評価し、長期間にわたり酵素活性が発現する操作条件を検討する。また、酵素の立体選択性も合わせて検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度の研究費の使用計画を次に示す。なお,次年度使用額(523,924)は,平成24年度に実験装置購入に使用する。物品費: 923,924(内523,924(次年度使用額))旅 費: 600,000謝金等: 50,000その他: 50,000
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