2012 Fiscal Year Research-status Report
減圧気相環境における固定化酵素によるクリーンバイオプロセスの開発
Project/Area Number |
23560953
|
Research Institution | Kochi National College of Technology |
Principal Investigator |
長山 和史 高知工業高等専門学校, 物質工学科, 准教授 (00270364)
|
Keywords | 減圧気相環境 / 固定化酵素 / バイオプロセス / ケトン還元反応 / キラルアルコール |
Research Abstract |
本研究は,減圧気相環境下における気相媒体での固定化酵素による新規なクリーンバイオプロセスの特徴を工学的な側面から先駆的に把握し,本法を用いるバイオプロセスを構築する上での基礎を確立することを目的とする。本研究の目的を達成するために,(1)反応活性を発現する酵素起源の検討,(2)高効率な物質生産が実現できる反応系の検討,(3)固定化酵素担体の検討,(4)最適な反応条件の確立,(5)バイオリアクターの基礎設計に取り組むものとする。 平成23,24年度は,研究計画(1),(2),(3),(4)に取り組んだ。まず,研究計画の遂行にあたって,オンライン自動ガスクロマトグラフィーを接続した減圧気相環境を実現できる反応装置を試作した。また,モデル反応として,アルコール脱水素酵素を触媒とした補酵素再生反応をともなうケトン還元反応を選定した。 研究計画(1)では,Parvibaculum lavamentivorans起源のアルコール脱水素酵素がケトン還元反応並びに補酵素再生反応を効果的に触媒することを見出した。研究計画(2)では,4-メチル-2-ペンタノン及びアセトフェノンを基質とした反応系Parvibaculum lavamentivorans起源のアルコール脱水素酵素が効果的な反応活性を示すことを見出した。研究計画(3)では,固定化担体として非多孔性のガラス粒子が固定化酵素調製やハンドリングの面で最適であることを見出した。研究計画(4)では,反応器内の減圧度,水分量並びに反応温度が固定化酵素の反応活性と安定性に与える影響を評価した。また,基質濃度を指標として速度論解析も合わせて実施した。減圧気相環境における酵素の立体選択性は,液相系と同等であることを見出した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的を達成するための研究項目、(1)反応活性を発現する酵素起源の検討,(2)高効率な物質生産が実現できる反応系の検討,(3)固定化酵素担体の検討,(4)最適な反応条件の確立,(5)バイオリアクターの基礎設計の中で、研究計画通り、平成23年度は研究項目(1)、(2)、(3)、平成24年度は研究項目(4)を達成した。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は、平成23、24年度に得られた研究成果をもとにそれぞれの研究項目を継続して検討しつつ、研究計画(5)に着手する。 研究項目(5)に関しては、研究項目(1)から(4)で得られた基礎データをもとに反応工学の手法によりバイオリアクターの基礎設計を行う。また、反応活性を向上する固定化酵素法も合わせて検討し、効率的な物質生産のためのリアクター形式のシミュレーションを行う。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度の研究費の使用計画を次に示す。なお,次年度使用額(375814)は,平成25年度に物品費として使用する。 物品費:748110(内375814(次年度使用額)) 旅 費:400000 謝金等: 50000 その他: 50000
|