2013 Fiscal Year Annual Research Report
減圧気相環境における固定化酵素によるクリーンバイオプロセスの開発
Project/Area Number |
23560953
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Research Institution | Kochi National College of Technology |
Principal Investigator |
長山 和史 高知工業高等専門学校, 物質工学科, 准教授 (00270364)
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Keywords | 減圧気相 / 酵素反応 / 固定化酵素 / 不斉合成 / バイオリアクター |
Research Abstract |
本研究は,減圧気相環境下における気相媒体での固定化酵素による新規なクリーンバイオプロセスの特徴を工学的な側面から先駆的に把握し,本法を用いるバイオプロセスを構築する上での基礎を確立することを目的とした。本研究の目的を達成するために,(1)反応活性を発現する酵素起源の検討,(2)高効率な物質生産が実現できる反応系の検討,(3)固定化酵素担体の検討,(4)最適な反応条件の確立,(5)バイオリアクターの基礎設計に取り組むものとした。 本研究では、オンライン自動ガスクロマトグラフィーを接続した減圧気相環境を実現できる反応装置を試作した。また,モデル反応として,アルコール脱水素酵素を触媒とした補酵素再生反応をともなうケトン還元反応を選定した。 研究項目(1)では,Parvibaculum lavamentivorans起源のアルコール脱水素酵素がケトン還元反応並びに補酵素再生反応を効果的に触媒することを見出した。研究項目(2)では,4-メチル-2-ペンタノン及びアセトフェノンを基質とした反応系でParvibaculum lavamentivorans起源のアルコール脱水素酵素が効果的な反応活性を示すことを見出した。研究項目(3)では,固定化担体として非多孔性のガラス粒子が固定化酵素調製やハンドリングの面で最適であることを見出した。研究項目(4)では,反応器内の減圧度,水分量並びに反応温度が固定化酵素の反応活性と安定性に与える影響を評価した。また,基質濃度を指標として速度論解析も合わせて実施した。減圧気相環境における酵素の立体選択性は,液相系と同等であることを見出した。研究項目(5)では、研究項目(1)から(4)で得られた基礎データを拡充するとともに、反応工学の手法により連続的な物質生産のためのバイオリアクターの基礎設計を行った。
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