2013 Fiscal Year Annual Research Report
小型衛星を利用した再突入試験プローブ用アブレータの開発とその熱的性能予測
Project/Area Number |
23560954
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
木原 尚 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (60243911)
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Keywords | 軽量アブレータ / 高温気体 / 再突入 / 超高速流 / 熱防御システム |
Research Abstract |
近年研究開発が進んでいる,軽量アブレータを取扱い,その開発というよりは性能予測を重点的に行ってきた.基本的には炭素繊維フォームにフェノール樹脂を含浸させることにより軽量アブレータを作成し,自作することで炭素繊維に含浸させるフェノールの量をコントロールし,アブレータの密度をパラメータにすることで研究の幅を持たせた.実験的には本学所有のアーク加熱風洞を用いてφ30のテストピースを用いることにより実験条件の統一化を図った.アブレータモデル内には模型全面より一定の距離にφ0.2㎜以下のKタイプ熱電対素線に窒化ホウ素のコーティングを行い電気的にプラズマやアブレータから絶縁することにより,計測の精度を保った.また,計測系においても十分な時間制度を確保するために,自作の高速絶縁熱電対アンプ(熱電対計測としては)を用いた.熱電対素線についてはφ0.1㎜についても確認したところ差は見られなかったので取扱いの関係でほとんどの場合0.2㎜を用いた.また同時に,アブレータの表面温度についても計測した.我々は以前よりアーク加熱風洞の数値シミュレーションを行ってきたが,それを利用し,アーク風洞における実験の状況を数値計算により構築し,実験の結果に合うようにチューニングしてきた.もちろんアブレータ内部のフェノールの気化からその熱分解ガスの流動とアブレータ表面からの吹き出し,そしてその高温ガスからの輻射,また,その表面によるエネルギーバランスによりアブレータ表面のアブレーションによる後退の様子まで含めて実験状態を数値的に再現することができるようになった.特に軽量アブレータの場合内部流動を考慮しなければ全体としての熱伝達の様子が大きく実際と異なることが証明できた.これにより実際にMuses-Cのカプセルを例に取り,軽量アブレータを用いて再突入させた場合の予測を行うところまで行うことができた.
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