2012 Fiscal Year Research-status Report
小型ソーラーUAVに関する多目的最適化設計と実証フライト
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23560959
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Research Institution | Tokyo University of Science, Suwa |
Principal Investigator |
雷 忠 諏訪東京理科大学, システム工学部, 准教授 (50392832)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河村 洋 諏訪東京理科大学, システム工学部, 教授 (80204783)
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Keywords | 特殊航空機 / 無人航空機 / 多目的最適化設計 / 太陽光発電 |
Research Abstract |
本研究は、太陽電池を利用する小型ソーラーUAVの開発を目的とし、多目的最適化設計法により無人航空機を設計・製作し、実証フライトを行うことである。本年度には昨年度に導入した機体空力と推進系の性能推測ツールを用いて、2号機を設計・製作し、飛行テストを行った。 ①多目的最適化設計:まず、太陽電池の搭載を考慮した初期設計を行った。従来型の機体は太陽電池の面積を確保するため、機体が大きくなり、重量が増加して、有効積載重量が限られ、また構造上に強度の問題が発生してしまう。本研究ではlifting bodyとその後部に取り付けるV尾翼を採用し、搭載機器を厳選した。その結果、太陽電池搭載の面積を確保しながら、従来型の1号機に比べて機体が1kg以上の軽量化ができた。 ②機体の設計製作:ソーラーパネル性能を調査し、発電計測実験を行った。1号機に搭載したものより、新規購入のソーラーパネルは倍以上の性能を持つことを確認した。機体の図面を作成、機体構成を検討し、組立・製作を行った。軽量化に関して、強度が特に必要とする部品に、CFRP部材を利用した。完成機体は設計したとおり、1kgの軽量化に成功した。 ③実証フライト:地上パイロトによる操縦で数回の飛行テストをしながら、機体構成の調整を行った。これによって、飛行システムの動作を確認し、機体の操縦性能を把握できた。また、GPSモジュールを搭載して、飛行経路及び飛行速度を計測し、機体形状の最適化設計に必要な飛行条件を得た。 ④成果発表:2回、日本航空宇宙学会が主催した第50回にてソーラープレーン無人機開発と性能評価に関して、口頭発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
機体の開発は概ね順調に進んできた。太陽電池の発電量を考慮した設計を行い、軽量化に成功した。機体を完成し、飛行テストを順調に進めた。一方、従来と異なる新しい機体を組立・製作するには試行錯誤をしながら、慎重に作業を行ったため、多くの時間が掛かった。
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Strategy for Future Research Activity |
2号機の設計改良・飛行テストと実用機の試設計を行う予定である。 ①機体の設計製作・飛行テスト:飛行テストを実施しながら、得られたデータと知恵に基づいて設計改良を行う。まず、太陽電池を搭載しない基本機体を改良し、飛行性能を向上させる。次に、太陽電池を搭載し、パワーシステムを調整する。それから、自律飛行システムをテストし、動作を確認する。最後に長時間飛行を試みる。 ②実用機の試設計:2号機に基づいて実際に環境観測などを想定し、各種の計測機器を搭載したペイロードで設計を行う。設計上で各パラメータを変更して、飛行性能と応用範囲に関して考察を行う。これまで得られた材料、推進システム、パワーシステムなどのデータを定式化し、空力と構造と多目的最適化手法を用いて実用機の試設計を試みて、ソーラープレーンに関する設計指針を得る。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度は、基本機体2号機を完成し、飛行テストを実施した。次年度予定の申請経費(60万円)に関して、主に製作した2号機の改修と飛行テストと研究成果の学会発表に使用する予定。内、機体の製作に必要な部材や工具や飛行テストの搭載機器や消耗品の交換などに約10万円とし、機体製作補助と遠隔操縦を依頼している外部の熟練者への謝金を25万円、また学会参加の各種費用を約25万円とする。経費の不足が予測されており、その分を大学研究費から補うと考えている。
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