2013 Fiscal Year Annual Research Report
ダイナミックインバージョン制御を用いた重力制御姿勢安定化飛行体の研究
Project/Area Number |
23560963
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
岩田 拡也 独立行政法人産業技術総合研究所, 知能システム研究部門, 主任研究員 (70356533)
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Keywords | 無人航空機 / 飛行ロボット / 空中無人輸送機 / カーゴUAV / UAV |
Research Abstract |
平成25年度は、ダイバーシティ制御の角加速度センサを用いた新しい方法によるロール角姿勢制御を行った。前年度に実施した従来型の角速度センサフィードバックは、サンプリング周波数を高めることで、ロール角度の浅い領域での安定した姿勢制御が可能となった。これにより、姿勢制御限界角に到達する外乱条件が大きくなり、制御限界外で本質安全による飛行保持を行うモードへの移行条件が緩和できるようになった。ロール中心に設置した角速度センサ(ジャイロセンサ)でロール角速度を検知する方法では、センサの角速度検出分解能に応じたロールが実際に発生するため、ゼロ点付近での摂動が発生する。この問題を解決するため、ロール中心から最大限距離をとりイナーシャを最大限とする点で変化量を大きく検出する角加速度センサの考案を行った。左右中央の3つの加速度センサの差分を識別することで、状態推定を行う角加速度センサによりダイナミックインバージョン制御で外乱に対する力覚制御を行う。しかしこの方式は、差分処理に比較的広域のハイパスフィルタを必要とするため、実質サンプリング周波数が低下する。そこで、サンプリング周波数の上がった角速度センサ(ジャイロセンサ)フィードバックと組み合わせることで、比較的周波数の低い摂動運動を抑制する効果が得られることが明らかとなった。摂動の高周波数成分の抑制性能は、角加速度センサのハイパスフィルタの性能向上が鍵となることが分かった。これらの成果を利用して、新潟スカイプロジェクトにて、推進機関であるターボジェットエンジンの研究開発と、電動高推力2軸制御アクチュエータの開発、炭素繊維複合材による軽量構造機体の開発を実施し、ウイングスパン10m、離陸総重量148kg、総推力800Nf双発ターボジェットエンジン搭載の振子安定制御式無人航空機を製作。研究成果の実応用を目指す。
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