2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23560970
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
勝井 辰博 神戸大学, 海事科学研究科(研究院), 准教授 (80343416)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 朝哉 独立行政法人海洋研究開発機構, その他部局等, 研究員 (10359127)
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Keywords | ROV / クローラ / ケーブル張力 / 海底探査 |
Research Abstract |
海洋研究開発機構(JAMSTEC)では、海底探索のためのクローラ型ROVを開発しているが、水中重量が小さいROVは転倒しやすいことが知られており、ケーブル拘束下での走行可能範囲の適切な把握が求められている。本研究ではこれまでにクローラ型ROVの走行特性、段差踏破特性の評価法を開発してきたが、昨年度よりROVに作用するケーブル張力を考慮したROV走行可能範囲の推定法の開発に着手してきた。しかしこれまでの方法ではケーブルが海底を這う状態に対応しておらず、特に軽量のROVの走行可能範囲の推定は不十分であった。本年度はケーブルの一部が海底に接した状態でもケーブル張力を計算することが可能な方法を開発し、それを基礎としてROVの走行範囲の推定法を構築し、さらに模型実験を実施して本手法の妥当性の検証を行った。 本研究の立場は、定常走行状態にあるROVに作用する外力が重力、浮力、海底面からの垂直抗力、クローラに作用する推力、流体力、ケーブル張力とし、各外力が集中過重として作用してバランスしていると考える。この時、垂直抗力の作用点がクローラ接地面の範囲にあるとき通常走行可能であると判断する。ケーブルが海底を這う場合のケーブル張力の算定方法としては、海底面を無視したケーブル形状をまず算定し、弛みが発生すれば逐次その長さに応じて海底に這うケーブル長を設定して再計算を行う。最終的に弛みがなくなった形状を解とする手法を開発した。さらに海底を這うケーブル長さに応じて摩擦力を考慮したケーブル張力の算定を行い、ROVの可動範囲の推定を行った。この手法を検証するために、小型模型を用いた水槽試験を行い、ROVの可動範囲の比較検証を行ったところ、本手法による推定がこれまでのものよりも優れていることを確認した。
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