2013 Fiscal Year Annual Research Report
最適運航計画支援のための船舶運航性能推定手法の検討と評価
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23560980
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Research Institution | National Maritime Research Institute |
Principal Investigator |
小林 充 独立行政法人海上技術安全研究所, その他部局等, 研究員 (10373416)
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Keywords | 航海支援システム / ウェザールーティング / 実海域運航性能推定 |
Research Abstract |
環境対応型航海支援システムによる推奨航路の作成と船速計画の策定のための船舶実海域運航性能推定手法を提案し、特に、現状の推定手法で必要とする船体形状データが欠けた船舶の場合の推定手法を提案した。 波による抵抗増加量の推定は、従前より提案されている正面規則派に対する抵抗増加推定式を出会い周期等を考慮して斜め方向波に適用可能な形に拡張して計算式を作成した。推定計算には船長、幅、喫水といった主要諸元のほか、Lw、Cb、Cp、Cw、∇、Bfが必要であるが、一般には非公開なため、船舶明細書等の資料、文献によって推定式を作成した。また、風による抵抗増加量推定のため、既知の船舶を統計処理することで受風面積の近似式を作成した。 これら一連の推定式をまとめ、一般船舶に適用できるように推定プログラムを作成し、抵抗量を求める船舶の諸元を入力することで容易に風抵抗係数、波抵抗増加係数を算出できるようにした。船舶の諸元は、判明している数値があればそれを入力し、なければ推定するというように利用できるものとし、最小でも船種と船長(LppまたはLoa)、全幅B、喫水dが得られれば推定できる。 これを宇部興産海運のセメント船「興山丸」に適用し、最小の項目のみを入力として風波抵抗係数を推定計算し、1年間の運航モニタリング結果から比例係数を調整して実海域下の運航性能データとした。この運航性能データを運航支援の観点から検証するため、1年間の気象海象データを用い、毎日出航するという仮定のもとで最適航路計画を適用し、運航シミュレーションを行ったところ、従前の手法による詳細な運航推定によるデータと比較し、わずかに燃料消費削減効果に劣るもののほとんど差がないことが分かった。また、船速推定精度についても、ほぼ同一の推定精度となり、簡易推定手法は詳細推定の代替になり得ることを示すことができた。
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Research Products
(2 results)