2012 Fiscal Year Research-status Report
境界形状の要素分解によるヘリカル閉じ込め配位の性能評価と改善研究
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23561005
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
岡村 昇一 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 教授 (60115540)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 康浩 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 助教 (20397558)
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Keywords | ヘリカル磁場配位 / 磁場配位最適化 / 最外殻形状 / フーリエモード |
Research Abstract |
研究計画の2年目としては、LHD装置の実験で用いられている磁場配位の特長を、他のヘリカル系実験装置の磁場配位と比較しながら分析するステップに進んだ。LHD装置の特長的な三種の磁場配位(内寄せ配位、標準配位、外寄せ配位)は、トロイダル・モード数n= 1、ポロイダル・モード数m= 0による、ヘリカル軸構造を示すモードと、n= 1、m= 2による、トロイダル角に対して回転する三角度断面形状を示すモードとの、二つの基本モードによって特長付けられている。これらのモードの符号は内寄せ配位、外寄せ配位に対して正負が逆転するが、その正負の組み合わせがLHD装置の磁場配位の特長となっている。これらの符号関係を他の先進的ヘリカル配位と比較すると、その違いが明瞭となる。すなわち、先進的配位とされているヘリカル型実験装置の磁場配位は、これら二つの基本モードの符号はLHD装置とは逆の関係となっている。LHD装置の磁場配位に対して、ヘリカル捕捉粒子のドリフト軌道の最適化に対して有効なモードをn= 1、m= 0のヘリカル軸構造のモード、また磁気井戸によるMHD安定性に寄与するモードを、n= 1、m= 2の三角度断面形状のモードと仮定し、モードの振幅を変えながら磁場配位の特性を調べることにより、それぞれのモードの効果を詳細に調べた。この研究の延長線上にある成果として、n= 1、m= 0のモードとn= 1、m= 2のモードとを、LHD装置とは逆の符号関係になるように組み合わせることにより、新しい磁場配位の候補を見つけることができた。この磁場配位の優れた特長の一つとして、高ベータ平衡配位において、Shafranovシフトが小さくなることが見いだされた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
4年計画の大きな目標の一つは、様々なヘリカル系装置の磁場配位を統一的に分析することによって、LHD実験の将来計画に資することができる新しい磁場配位を見つけ出すことである。計画の2年目において、最終的な目標そのものではないが、LHD装置の磁場配位の改良版としての新しい磁場配位の提案ができたことは、期待以上の成果と言える。その磁場配位の特長が、低ベータの平衡配位に基づくものではなく、高ベータ配位に特徴的な有利点であったことは、研究の進展としてさらにプラスに評価できる点である。
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Strategy for Future Research Activity |
有限ベータ配位計算については、平成24年度にその検討を開始している。平成25年度において特に検討を進めていく方向は、先進的ヘリカル装置のいくつかの例について、LHD装置に対して行ったと同様のモード分析を行い、どのような基本モードによってその磁場配位の特長がもたらされているかについて解析する。その際にもモード数をいたずらに多く取るのではなく、数少ない基本モードを抽出するように努力する。その分析結果を総合して、ヘリカル系閉じ込め配位の特長を、境界形状のモードによって統一的に示すことを目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究経費使用の主要な部分は、研究発表と研究の報告性の議論のために、国内の学会及び国際会議に積極的に参加し、今進めている研究を共同研究として進めていくための議論や、他の研究グループによる同種の研究に対する議論などを行う。またこれまで実施できなかった小型科学計算用サーバーの購入を実施する。
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Research Products
(4 results)