2011 Fiscal Year Research-status Report
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23561009
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
石井 康友 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 核融合研究開発部門, 研究主幹 (70354579)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2016-03-31
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Keywords | 外部搖動 / 外部駆動磁気島 / 突発的成長 / 非共鳴 |
Research Abstract |
今年度は、トロイダル形状拡張型電磁流体コードを用い、トロイダルプラズマ中での外部摂動による外部駆動磁気島の突発的発生機構を調べた。トカマクプラズマを含むトーラス形状のプラズマでは、印加された外部揺動磁場とは異なったヘリシティーを持つ磁気島が、トロイダル結合効果により発生する場合が有る。このような現象は、プラズマ崩壊現象や新古典磁気島の突発的発生機構においても重要である。MHD揺動などを模擬し、振幅が時間変動する外部磁場揺動をトロイダルプラズマに加えるシミュレーション研究を行った。単一ヘリシティーを仮定した場合は、これまでの研究で示したように(Y.Ishii PFR Vol.5,002(2010))、外部駆動磁気島の成長は外部磁場揺動の増大にほぼ比例するが、外部駆動磁気島の減衰は抵抗値に強く影響され、外部磁場揺動の消失後も磁気島が存在する。一方、トロイダル結合効果を含むマルチヘリシティーの場合、外部搖動と同一ヘリシティーを持つ外部駆動磁気島の時間発展は単一ヘリシティーの場合と同じであるが、トロイダル結合により励起される異なったヘリシティーを持つ外部駆動磁気島の時間発展は同一ヘリシティーの場合と異なることが分かった。また、プラズマ中に共鳴面を持たない非共鳴外部搖動磁場を加えた場合でも、トロイダル・モード間結合により、プラズマ内部に磁気島が励起されることを示した。特に、低アスペクト比トカマクでは、非共鳴外部搖動から効率的なエネルギー遷移が起こり、外部駆動磁気島が形成される可能性を示した。非共鳴外部搖動によりプラズマ中に生じた外部駆動磁気島では、摂動電流等の分布が共鳴外部搖動による外部駆動磁気島の場合と異なる。従って、トカマクプラズマ中での外部駆動磁気島の突破的発生機構を解明するためには、非共鳴外部搖動に起因する磁気島の形成過程も含めて、より詳細に解析する必要があることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
トロイダル形状プラズマにおける突発的電磁流体現象を解明するため、まず、トロイダル形状非線形RMHDコードを用いて、外部搖動による磁気島の発生機構を調べた。トロイダル形状プラズマではトロイダル・モード間結合が、モードの発生、成長に強く影響する。従って、当初の計画では、必要なコードの開発を行い、円柱プラズマモデルを用いた流れのあるプラズマ中での外部駆動磁気島の発生機構の研究を行う予定であった。しかしながら、コード開発に遅れが生じたため、コード開発と並行して、既存のトロイダルRMHDコードを用いた研究を行った。本年度行った、トロイダル・プラズマ中での外部駆動磁気島の時間発展の研究は、今後の研究展開のために必要な研究である。
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Strategy for Future Research Activity |
H23年度に実行予定であったコード開発を本年度の早い時期(6月めど)に完了し、H23年度の研究課題及びH24年度の研究課題を遂行する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
H23年度はコード開発に遅れが生じたため、計算データに基づく議論を行うための旅費等に残額が生じた。H24年度はこの遅れを取り戻すため、研究成果が出次第、外部の研究者と積極的に議論を行い、研究の効率的な推進を図る。そのため、H23年年度から繰り越した研究費及びH24年度に請求する研究費と合わせて、打ち合わせ、学会参加などの旅費として積極的に活用する。
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