2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23561009
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
石井 康友 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 核融合研究開発部門 六ヶ所核融合研究所, 研究主幹 (70354579)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮戸 直亮 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 核融合研究開発部門 六ヶ所核融合研究所, 研究副主幹 (80370477)
松山 顕之 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 核融合研究開発部門 六ヶ所核融合研究所, 研究員 (90581075)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2016-03-31
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Keywords | multi scale / ディスラプション / 突発現象 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、突発MHD現象を解明するために必要なMHD-乱流相互作用(multi-scale)に関するモデリング研究、重要な突発的MHD現象の1つであるトカマクプラズマのディスラプション現象に関する研究が進展した。 MHDスケールの突発現象の発生とその時間スケールは、MHDスケールより小さい空間スケールで重要と成る乱流現象に支配される可能性がある。本年度は、MHD-乱流相互作用に関して、圧力勾配の分極項が陽に現れるFLR補正のある簡約化流体モデルの開発を行った。 本研究では、粒子運動のレベルで簡約化を行って構築したジャイロ運動論モデルからジャイロ流体モデルを導き、流体モーメントの押し出し表現を用いてジャイロ流体モーメントを物理的な粒子流体モーメントに変換して、簡約化電磁流体モデルを導く手法を採用した。この手法は、圧力はテンソルとして現れないので微視スケールで重要な有限Larmor半径(FLR)効果を導入する際に便利である。本年度は、従来とは異なる厳密表現を用いて新しい粒子フラックスの押し出し表現を導き、高いベータ値を持つプラズマで重要となる圧力勾配の分極項があらわに現れるFLR補正のある簡約化流体モデルの連続の式を導いた。 トカマクプラズマにおける重要な突発現象の一つがディスラプション現象である。本年度は、プラズマ中の突発現象に付随する物理機構として、トカマク装置のディスラプション時に発生する相対論的電子(逃走電子)の閉じ込めにMHDモードが与える影響を調べた。本研究で開発してきたトロイダル簡約化MHDコードと粒子コードを結合したシミュレーションにより、径方向にグローバルな固有関数を持つマルチヘリシティーの不安定性が生じると電子ドリフト軌道とMHDモードの共鳴現象によって磁場そのものが乱雑にならない場合にも電子軌道がカオス的に散乱され、閉じ込めが大きく劣化する機構が存在することを見いだした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
プラズマ中の突発現象に強く影響すると考えられるmulti-scaleに関する研究、トカマクプラズマにおける重要な突発現象の1つであるディスラプション現象に関する研究は順調に進展しているが、複数の物理過程が相互作用するmulti-physicsに関する研究がやや遅れてる。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度同様、multi-scaleに関する研究を進展させるとともに、ディスラプション現象を対象としたmulti-physicsに関する研究を推進することにより、本研究テーマに関する研究を効率的に推進する。
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Causes of Carryover |
当該年度に予定していた3つの分野での研究活動のうちの1つであるmulti-physicsに関する研究に多少の遅れが生じ、この分野での外部発表(海外での学会含む)が行えなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は、柱となる3つの研究分野の1つであるディスラプション現象の研究を中心とし、他の2分野に関してもディスラプション現象に関連した箇所に注力することにより、研究プロジェクト全体の効率化を図る。
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Research Products
(6 results)