2013 Fiscal Year Annual Research Report
素子のナノ構造化・単結晶化による新型有機半導体放射線検出器の開発
Project/Area Number |
23561017
|
Research Institution | National Institute of Technology, Toyama College |
Principal Investigator |
高田 英治 富山高等専門学校, 専攻科, 教授 (00270885)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平井 義彦 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50285300)
浅井 圭介 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60231859)
|
Keywords | 原子力計測・放射線物理 / 有機半導体 / X線 / 測定 / ナノ構造 / 結晶化 |
Research Abstract |
素子のナノ構造化による放射線測定効率のさらなる向上のため、ヘテロ型素子に対してナノ構造モールドによるナノ構造製作を試み、その効果について検討を行った。検討にあたっては平板モールドを用いた素子も作成し、それぞれに対して可視光測定を行うとともに白色X線照射時のX線誘起電流を測定した。素子材料にはP3HT及びPCBMをそれぞれp型及びn型半導体として使用した。可視光測定の結果、最大電力点Pmaxが66%向上し、ナノ構造形成による界面増加により、感度の向上が実現できた。一方、X線照射実験においては、X線発生装置の加速電圧を50kVで固定し、管電流を0.5mA~5mAまで変化させてX線誘起電流の測定を行った。その結果、平板インプリントを行った場合に比べ、X線誘起電流が23%増加し、ナノ構造化の効果が見られた。しかし、この効果は製作素子ごとに異なっており、P3HTにナノ構造形成後にPCBMをスピンコートする際に、溶剤(トリクロロエチレン)によりナノ構造が溶解する場合があることが分かった。そのため、ナノ構造製作後に蒸着によってフラーレンを成膜する方法を試みたが、期間内に十分な効果は見られなかった。 一方、素子の結晶化による誘起電流の増加効果を、材料塗布後の冷却時間をパラメータとして調べた。P3HT:PCBMを塗布し、140℃に熱したヒータによって4min間ベークした後、冷却時間を60分~180分に設定し、真空中で徐冷を行った。それらの素子を用いてX線誘起電流を測定したところ、データにばらつきが大きいものの冷却時間とした場合にX線誘起電流が大きくなる傾向が見られた。他のパラメータの最適化も含め、今後、検討を継続する予定である。
|
Research Products
(5 results)