2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23561018
|
Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
永井 良治 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究副主幹 (40354906)
|
Keywords | 光共振器 / レーザー・コンプトン散乱 |
Research Abstract |
核共鳴散乱を用いた同位体の非破壊分析などの光源として必要性が高まっている単色ガンマ線生成のためのレーザー・コンプトン散乱において、エネルギー広がりが1万分の1以下のガンマ線を生成することを目的とした単一波長・低繰り返しのレーザーを蓄積し効率よく利用するための光蓄積装置の研究を進めている。3ヵ年の研究計画の2年目にあたる平成24年度は、以下を実施した。 (1) 平成23年度に光共振器の設計をもとに制作した軸対象放物面ミラーの形状の測定・評価を行い、試作したミラーの形状は放物面形状から±数ミクロンのずれがあること、このずれはミラーの製作工程において形状計測のフィードバックが行えないことに起因していることが分かった。 (2) (1)の問題を解決するための、容易な形状計測方法を提案し、今後、その測定方法についての実証を行う予定である。 (3) 電子ビームと衝突させレーザー・コンプトン散乱実験のために、電子銃試験用ビームラインに光共振器を設置するための真空チャンバを設計・制作した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本課題で達成しようとしている非対称ファブリペロー型光共振器でのレーザー光の増倍のためには通常使われる球面ミラーではなく放物面ミラーを用いる必要があることが、初年度の研究により明らかになった。しかしながら、放物面鏡の製作・計測にはいくつかの技術的課題がありそれらを明確にする必要があった。放物面鏡の採用は計画当初にはなく、研究を進めてきた中で発案されたものである。放物面鏡の計測・評価は本課題遂行のために必要不可欠であり、試作した放物面鏡の計測・評価に時間を要したために、当初の計画からやや遅れている。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成24年度に行う計画であった真空中でのレーザーコンプトン散乱実験に向けたレーザー光の蓄積実験を進めるとともに、数値計算を用い共振器に必要とされる放物面鏡の表面の精度、アラインメント精度についての検討を進めていく。 さらに、光共振器を電子銃のビームラインに設置し、蓄積したレーザー光に電子ビームを衝突させてコンプトン散乱光を発生させ、電子ビームのエネルギー広がりを反映した光が発生していることを確認し、本課題の目的を達成する予定である。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
光共振器を電子銃試験用ビームラインに設置するために必要な真空部品、放物面鏡の形状計測および評価に必要な光学部品などの消耗品に研究費を使用する計画である。 また、、加速器学会、原子力学会などで、それまでの成果について発表する予定であり、このために参加費、旅費などにも研究費を使用する計画である。
|
Research Products
(3 results)