2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23561018
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
永井 良治 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 量子ビーム応用研究センター, 研究主幹 (40354906)
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Keywords | 光共振器 / レーザー・コンプトン散乱 |
Research Abstract |
核共鳴散乱を用いた同位体の非破壊分析などの光源として必要性が高まっている単色ガンマ線生成のためのレーザー・コンプトン散乱において、エネルギー広がりが1万分の1以下のガンマ線を生成することを目的とした単一波長・低繰り返しのレーザーを蓄積し効率よく利用するための光蓄積装置(光共振器)の研究を進めた。3ヵ年の研究を通して以下の成果が得られた(最終年度の主な成果は(4))。 (1)数値計算により光共振器の評価を行った結果、球面ミラーを用いた従来型では、周回ごとの周回時間差の発生、球面収差による不十分な集光性により、機能しないことを明らかにし、この問題を解決するために、放物面鏡を用いることで光蓄積装置を実現できることを示した。(2)数値計算を基に放物面鏡を試作、形状の測定を行い試作したミラーの形状は放物面形状から±数ミクロンのずれがあること、この形状誤差は製作工程において形状計測のフィードバック加工を行っていないことに起因していることが分かった。(3)レーザー・コンプトン散乱実験のために、電子銃試験用ビームラインに光共振器を設置するためのミラーホルダ、真空チャンバを設計・製作した。(4)試作したミラーでの光蓄積に与えるミラー形状誤差の影響を数値計算により評価し、このミラーでは当初期待していた蓄積性能が得られないことが分かった。また、十分な蓄積性のを得るためにはサブnm程度のきわめて高い加工精度が必要であることを示した。また、光共振器のミスアライメントの影響に評価を行い、断面方向のアライメント精度は10μm程度まで許容され、ビーム軸法のアライメントに関しては、波長単位で現れる整合点が±1μm程度の範囲に限られることが分かった。 平成23年の東日本大震災後の修復工事のため、レーザー・コンプトン散乱実験はまだ開始されていないが、引き続き作業を進め実験を継続していく予定である。
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Research Products
(2 results)