2013 Fiscal Year Annual Research Report
固体酸化物形燃料電池における高温電気絶縁の特性解明に基づく設計指針の確立
Project/Area Number |
23561026
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
石田 政義 筑波大学, システム情報系, 教授 (30272173)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
花田 信子 筑波大学, システム情報系, 助教 (00606634)
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Keywords | 固体酸化物形燃料電池 / 高温水素雰囲気 / 直流絶縁特性 / 無機絶縁材料 / 水素燃焼反応 / 電気伝導 / 部分放電 |
Research Abstract |
固体酸化物形燃料電池(SOFC)の普及拡大のために、高温領域、アノードガス中での無機材料の電気絶縁現象を解明し、健全性を保証できる絶縁機構及びその設計方法を確立することを目的とする。 無機材料毎の高温水素雰囲気における直流絶縁特性の違いを把握するために、アルミナ、マグネシア、窒化ケイ素、マイカについて、600~850℃、水素雰囲気で電気伝導特性を評価した。酸化物系無機材料であるアルミナ、マグネシアで水素雰囲気となることで空気雰囲気と比べ絶縁抵抗値が増加し、電気伝導に関する活性化エネルギーは大きくなった。この原因として水素投入による酸素分圧低下が酸化物系無機材料の電気伝導率に影響を与えていると示唆された。窒化ケイ素、マイカについては本実験条件で電気伝導に関する水素の影響は見られなかった。この結果から、マグネシアが最も絶縁抵抗値が大きく、水素雰囲気で増加することから絶縁材料として最適であることが示された。 アノードガス及び水素燃焼反応による生成ガスが主絶縁部の直流絶縁特性に及ぼす影響を調べた。マグネシアを主成分とするSOFC実機の模擬主絶縁部に対して、水素燃焼反応が生じない低酸素濃度下で水素、二酸化炭素、湿潤空気を導入し、電気伝導特性及び絶縁破壊電圧を評価した。電気伝導に関して、水素、二酸化炭素は主絶縁部への影響はほぼないが、水蒸気に関しては僅かに悪影響を及ぼすことが分かった。これより、先行研究で示されている水素燃焼反応に伴う主絶縁部の電気伝導特性の劣化は、主に水素燃焼反応による熱及び火炎の影響であることが示された。絶縁破壊電圧は周囲気体の放電特性の影響が大きいことが分かった。二酸化炭素と水蒸気は両電圧を上昇させる一方で、水素については低下させるという結果を得た。したがって、SOFC絶縁部の設計時には水素ガスとそのリークにより発生し得る水素燃焼反応を考慮した設計が必要となる。
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Research Products
(3 results)