2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23561031
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
原 豊 鳥取大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60242822)
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Keywords | 低重心風車 / 風力発電 / 再生可能エネルギー / 対称翼 / キャンバー翼 / バタフライ風車 / 二重翼 / アルミ押出 |
Research Abstract |
昨年度に製作した対称翼(光造形製)とキャンバー翼(非対称翼:ガラス繊維強化プラスチック製)の2種類の低重心風車(直径0.4m、 高さ0.25m)の風洞実験を詳細に実施し、キャンバー翼が対称翼よりも発生するトルク・出力が大きくなることを示した。特に高速回転状態で差が大きくなった。また、2次元のCFD計算によっても定性的に同様な結果を得た。昨年度推測したように、湾曲流線の影響がこの差異を生み出していると考えられる。 低重心風車の派生形として考案した二重翼構造のバタフライ風車(直径0.4m、 高さ0.3m)についても、対称翼(光造形製)とキャンバー翼(ビニロン繊維強化プラスチック製)の2種類の模型風車を製作し、低重心風車と同様に、キャンバー翼が高速回転状態で優れることを示した。しかし、低速回転状態では対称翼の発生トルクが多少キャンバー翼よりも大きくなった。キャンバー翼の低重心風車とバタフライ風車の比較では、バタフライ風車の方が起動性・最大出力ともに優れることを示した。 上記のように軽量な複合材料のキャンバー翼が性能向上には望ましいことがわかってきたが、一方で、現実的な低コスト化の方法として、アルミ合金の押出と曲げ加工により、対称翼のバタフライ風車を作る案が浮上してきた。企業2社の協力により、直径約2m、高さ0.8mの『アルミ円形翼バタフライ風車』の試作および実証実験を行った。繊維強化プラスチック(FRP)などの複合材料に比べると多少重量が大きくなるが、比較的軽量で剛性が高い曲線状の中空翼が低コストで製作できることを示した。今後は本課題で得られた知見・ノウハウを活用して、『アルミ円形翼バタフライ風車』のサイズアップを検討し、実用化を目指す予定である。
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