2013 Fiscal Year Annual Research Report
SOFC-ガスタービンハイブリッドシステムのダイナミクスと制御に関する研究
Project/Area Number |
23561034
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
君島 真仁 芝浦工業大学, システム工学部, 教授 (10298143)
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Keywords | 固体酸化物形燃料電池 / ガスタービン / 高効率発電 |
Research Abstract |
平成25年度は最終年度であることから、過去2年間の成果をベースにSOFC-ガスタービンハイブリッドシステムの動特性モデルの構築について検討を進めることを計画していた。これまでに構築してきたSOFCの動特性モデルにおいては、電圧変動の過渡特性に対して相対的に影響が大きい熱的な遅れのみを考慮して、モデルの簡略化と計算時間の短縮化を図ってきた。このモデル用いて適正な出力制御が可能であることを示してきた。SOFCの出力制御において、セルの内部で燃料(水素)が不足する状態、いわゆる「燃料枯れ」の発生が問題となることが知られている。この点について学会発表等の場でモデリングの不備が指摘された。低負荷から高負荷への変化の際に燃料流路の下流において水素濃度が著しく低下する状況が発生しうることが分かった。しかし、前年度までに構築した動特性モデルには物質輸送が考慮されていないことから、それを改善するための検討を行った。本研究課題に着手する以前に実施した円筒型SOFC単セルの動特性実験のデータを参考とし、電極内部とガス流路での物質移動について検討した。出力制御のための電流操作に応じて生ずる電圧の過渡応答を中心として考察を進めたところ、燃料枯れを生じさせる主要因が燃料流路での水素の拡散の遅れであることが分かった。この結果から、SOFCの適正な制御を行う上では、燃料流路の形状・寸法も重要な設計条件であることを示すことができた。 当初の目標であったガスタービンを組み合わせた動特性解析モデルの構築を年度内に完了することはできなかった。SOFCの動特性モデルに物質輸送を組み込む作業が必要となったこと、ガスタービンのモデル化にあたり、商用化されているガスタービンのデータを参考にしながら検討を進めたが、解析結果と実機データとが十分に一致せず、モデルの妥当性が確認できなかったことの2点が主たる要因であった。
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Research Products
(2 results)