2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23570006
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
中越 英樹 岡山大学, 自然科学研究科, 准教授 (50314662)
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Keywords | ショウジョウバエ / マルピーギ管 / ストレス応答 |
Research Abstract |
ショウジョウバエのマルピーギ管は哺乳類の腎臓に相当する器官であり,体液中の老廃物を尿酸結晶として排出する.ショウジョウバエのホメオドメイン型転写制御因子 Defective proventriculus (Dve) には2種類のアイソフォーム (Dve-A, Dve-B) が存在する.マルピーギ管における Dve-A の発現は,3齢幼虫期以降の全ての領域で検出され,星状細胞よりも主細胞での発現が強い.Dve-B は transitional, main segment の主細胞で強く発現し, 星状細胞では発現していない.dve 変異細胞は主細胞の形質を失い,Dve を強制発現した星状細胞の核は一回り大きくなり, 主細胞特異的に発現する Cut の発現が誘導された. このような Dve 強制発現星状細胞では,星状細胞形質 (水輸送チャンネル Drip の発現) が抑制されていることが予想されたが,Drip の発現はむしろ上昇していた.この興味深い現象は,Dve によって発現量あるいは安定性が増加したセプテートジャンクション構成因子によって Drip が安定化した結果であるという知見を得た.機能獲得のために Dve 活性を必要とする中腸細胞においても,セプテートジャンクション構成因子が機能分化を制御していることから,セプテートジャンクションを介した制御が細胞機能分化に重要な役割を果たしている可能性が強く示唆された. また,マルピーギ管特異的な dve ノックダウン個体は,通常飼育条件下での寿命には影響を与えないものの,塩ストレス条件下では有意に寿命が短縮することが明らかとなり,ストレス応答による体液恒常性の維持に Dve の機能が重要であることが明らかとなった.
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Research Products
(4 results)