2013 Fiscal Year Annual Research Report
意思決定の進化生態学的基盤:負け記憶の生態遺伝メカニズム
Project/Area Number |
23570027
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
宮竹 貴久 岡山大学, その他の研究科, 教授 (80332790)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 賢祐 岡山大学, その他の研究科, 助教 (40550299)
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Keywords | 行動生態 / 意思決定 / 遺伝基盤 / 闘争 / 経験による修飾 / 動物行動 / 武器形質 / 適応度 |
Research Abstract |
オオツノコクヌストモドキの闘争行動の勝敗と記憶力の関係を調べた。本種のオスは勝利の経験は覚えないが、敗北の経験は4日間覚えていた。人為選抜実験によって闘争の記憶時間には遺伝変異のあることを明らかにした。本種では敗北期間中は戦いに投資しないが、射精への投資を増やした。オスは敗北経験による学習によって、交尾後のオス間競争である精子競争の投資を調整した。さらに雄同士が後脚を用いて配偶者獲得のために闘争するホソヘリカメムシを用いて闘争行動に明瞭な日内パタンのあることを明らかにした。本研究計画の目的の1つは闘争と記憶に焦点を当てたものであり、闘争と武器形質の複数のモデル昆虫を使用して、以下の研究を展開した。はじめにオオツノコクヌストモドキの闘争行動の勝敗と記憶力の関係について調査した。具体的な研究実績は以下の通りである。(1)本研究計画の目的の1つは闘争と記憶に焦点を当てたものであり、闘争と武器形質の複数のモデル昆虫を使用して、以下の研究を展開した。はじめにオオツノコクヌストモドキの闘争行動の勝敗と記憶力の関係について調査した。(2)本種のオスは敗北経験を覚えている間は、まったく戦わない。すなわち、戦いに投資を行わないのだが、その代わりに射精形質への投資を増やした。この結果は、オスが敗北経験による学習によって、交尾後のオス間競争である精子競争の投資を調整することを示している。 (3)さらに闘争に負けた個体は、より分散と飛翔行動が増すことが、本研究の結果により、明らかとなった。(4)以上の結果は、学習によって行動や形質への投資を調整することで、このオスは効率良くメスを獲得することができると考えられた。
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Research Products
(10 results)