2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23570082
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
永田 典子 日本女子大学, 理学部, 准教授 (40311352)
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Keywords | 植物 / シロイヌナズナ / 花粉 / 葯 / 電子顕微鏡 / 資質 |
Research Abstract |
花粉外壁に存在する脂質系粘着物質のポーレンコートは、葯タペータム内の脂質系オルガネラが内包する脂質成分の一部から作られると言われているが、その脂質成分の局在性・機能性やポーレンコート形成の仕組みは未だ不明であった。花粉内部にも多くの脂質系オルガネラが存在するが、その構造および役割についてもわかっていない点が多かった。私は、電子顕微鏡レベルでの葯における脂質の局在マップを作成し、シロイヌナズナ脂質関連遺伝子欠損変異体の観察を行い、脂質系オルガネラの構造と機能に迫ることを目的にした。 野生型シロイヌナズナの花芽形成過程をなるべく細分化し、葯内における劇的なオルガネラ変化のプロセスを詳細に電子顕微鏡法により追跡した。これにより、これまで捉えられていなかった脂質系オルガネラの動態も明らかにすることができた。さらに、ステロールの脂質輸送に関連すると予想されるトランスポーターの欠損突然変異体やワックス合成異常を示す突然変異体を材料に、ポーレンコート形成のプロセスを詳細に観察した。その結果、前者の変異体では、タペータム細胞膜上に脂質系物質の蓄積がみられ、さらに葯室内に異常な脂質の凝集物がみられた。また後者の変異体では、ポーレンコートに形態的異常が観察された。以上の結果は、ステロールやワックスといった脂質が、花粉壁・ポーレンコートの形成に重要な役割を果たしているということを示唆するものである。また、オートファジー欠損と予想される突然変異体もラインナップに加え、脂質の分解にも着目した 解析を行った。これまで、花粉やタペータム内でオートファジーが行われているかどうかすらわかっていなかったが、私はオートファジーが正常な花粉形成に何らかの機能を果たしているということを強く示唆するデータを得た。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] OsATG7 is required for autophagy-dependent lipid metabolism in rice postmeiotic anther development.2014
Author(s)
T. Kurusu, T. Koyano, S. Hanamata, T. Kubo, Y. Noguchi, C. Yagi, N. Nagata, T. Yamamoto, T. Ohnishi, Y. Okazaki, N. Kitahata, D. Ando, M. Ishikawa, S. Wada, A. Miyao, H. Hirochika, H. Shimada, A. Makino, K. Saito, H. Ishida, T. Kinoshita, N. Kurata, K. Kuchitsu
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Journal Title
Autophagy
Volume: 10
Pages: 1-11
DOI
Peer Reviewed
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