2012 Fiscal Year Research-status Report
イモリ嗅細胞におけるアミノ酸応答のシグナル伝達機構と生息環境による応答の調節
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23570088
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
中谷 敬 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (20125040)
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Keywords | 国際研究者交流 |
Research Abstract |
2011年度に引き続き,イモリ(Cynops pyrrhogaster)を用いて嗅細胞のアミノ酸応答に関する電気生理学的解析を行った。昨年度から行っているEOGを用いた実験を発展させ,複数の異なった匂い物質を同時に嗅上皮に投与した。その結果,匂い物質の組み合わせによりEOG応答の大きさが変化し,匂い物質を単独で投与した時と比べて,EOG応答の大きさが変わらないもの,大きくなったもの,小さくなったものがあった。この事実は匂い物質の組み合わせにより,抑制や促進が起こることを示唆している。今回は揮発性匂い物質について実験を行ったが,次年度はアミノ酸についても検討を行う。また,単離嗅細胞を用いたパッチクランプ法の実験では,アミノ酸応答を確認した。今後はアミノ酸応答のシグナル伝達機構を解明するため,さまざまな酵素のblockerやactivatorを用いてその効果を検証する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2011年度の震災の影響による遅れが残っていることと,実験を担っている学生の技術習得が遅れていることが原因である。しかし,技術の習得が順調に進んでいるので,次年度は当初の予定に近づけるよう努める。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度に引き続き,アミノ酸応答のシグナル伝達経路を確かめる実験を行う。1)IP3を2次メッセンジャーとするシステムの可能性を確かめるために,2次メッセンジャー候補であるIP3そのものを電極から投与したり,DGなどIP3システムに関与する酵素の阻害剤や賦活剤を投与したりして,アミノ酸応答に対する薬物の効果を観察する。2)cAMPを2次メッセンジャーとするシステムの可能性を確かめるために,cAMPあるいはその非分解性の異性体である8-bromo-cAMP, forskolinなどアデニル酸シクラーゼの賦活剤,IBMXなどphosphodiesteraseの阻害剤の効果を調べる。3)その他の可能性を確かめるために,G蛋白質の活性化に必要なGTP,その非分解性の異性体であるGTP-γ-S, G蛋白質を不活性化させるGDP-β-Sなどを投与することによってGタンパク質の関与を確かめる。さらに,複数の匂い物質(特にアミノ酸)同士の相互作用(抑制や促進)についての現象を明らかに するとともに,そのメカニズムをシグナル伝達経路と関連させて解明する。また,今回の主目的はイモリ嗅細胞のアミノ酸応答であるが,他の種と比較するために,同じ両生類であるカエルやマウスなど哺乳類の嗅細胞についてもアミノ酸応答の有無を調べるほか,アミノ酸受容体遺伝子の同定を試みる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初計画どおり,物品費は研究用消耗品・薬品の購入に用いる。旅費は海外共同研究者と打ち合わせのための渡航費および国内の学会参加費に用いる。その他は論文投稿料や論文英文校閲費に用いる。
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