2011 Fiscal Year Research-status Report
光周期と異なるウズラの鳴声刺激による生殖リズムの制御機構
Project/Area Number |
23570091
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
産賀 崇由 東京医科歯科大学, 教養部, 非常勤講師 (10594286)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
服部 淳彦 東京医科歯科大学, 教養部, 教授 (70183910)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 動物の生殖 / 社会的環境 / ニューロン / ホルモン / Real time PCR法 / 高感度蛍光抗原抗体法 / 最初期遺伝子 / マイクロアレイ法 |
Research Abstract |
本研究は動物の生殖活動に関わる生体リズムが社会的環境により如何に調節されるかについて明らかにすることを目的とする。生体リズムを調節する最も大きな要因は明暗の光サイクルであるが、生殖活動は本来社会的活動であるから同性や異性からの社会的刺激からも大きな影響を受ける。本研究では短日条件下にあるために非繁殖期にあるウズラに雄の鳴声を長日条件下と同様に長時間聞かせ、ウズラが鳴声をどのように脳で情報処理し、生殖に関わるニューロンやホルモンを活性化するのかを調べる。平成23年度においては以下の研究を行った。明期が12時間より長い長日に生殖腺を発達させる社会性の高い鳥類である雄の成熟したウズラを短日条件(明期8時間:暗期16時間)で3週間育て、生殖腺を退化させた。このウズラを3群に分け、長鳴声刺激群のウズラには録音した雄の鳴声を明期の始まりから20時間聞かせた。短鳴声刺激群のウズラには録音した雄の鳴声を明期の間だけ8時間聞かせた。コントロール群のウズラには鳴声刺激を与えなかった。その翌日脳と血液とをサンプリングして脳における生殖腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH) mRNAの発現をReal time PCR法により、血液における生殖腺刺激ホルモン(LH)の濃度を高感度蛍光抗原抗体法により測定したところ、長鳴声刺激群ではコントロール群に比較し脳のGnRH mRNAの発現や血中LH濃度が著しく増加していた。一日の鳴声刺激により生殖に関わるニューロンやホルモンが活性化されることの発見は重要であり今後の研究の土台を築いた。平成23年度の後半はウズラの鳴声刺激が生殖に関わるニューロンを活性化するメカニズムを明らかにするため、最初期遺伝子の免疫染色法により鳴声刺激により活性化される脳部位を同定し、マイクロアレイ法により鳴声刺激により活性化される脳部位において発現が高まる遺伝子を同定する準備を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成23年度はウズラの鳴声刺激により脳においてGnRH、GnIH、DIO2、DIO3の発現を調べることを計画し全て定量した。さらに血中LH濃度も定量し有意な結果を得た。一日の鳴声刺激により生殖に関わるニューロンやホルモンが活性化されることの発見は重要であり今後の研究の土台を築いた。平成23年度の後半は鳴声刺激が生殖に関わるニューロンを活性化するメカニズムを明らかにするため、最初期遺伝子の免疫染色法により鳴声刺激により活性化される脳部位を同定し、マイクロアレイ法により鳴声刺激により活性化される脳部位において発現が高まる遺伝子を同定する準備を行ったことは当初の計画以上の進展と言える。
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度においては長鳴声刺激群でコントロール群に比較し脳のGnRH mRNAの発現や血中LH濃度が著しく増加することが明らかになった。一日の鳴声刺激により生殖に関わるニューロンやホルモンが活性化されることの発見はとても重要である。平成23年度はさらに鳴声刺激が生殖に関わるニューロンを活性化するメカニズムを明らかにするため、最初期遺伝子の免疫染色法により鳴声刺激により活性化される脳部位を同定し、マイクロアレイ法により鳴声刺激により活性化される脳部位において発現が高まる遺伝子を同定する準備を行った。現在すでにマイクロアレイを行う脳サンプルを得ており、遺伝子発現解析を行うcDNAサンプルを調整中である。鳴声刺激により活性化される脳部位において発現が高まる遺伝子の同定後は、その遺伝子の機能を調べる必要がある。その重要な方策としてその遺伝子産物の局在を免疫染色法により調べることが有効である。またその遺伝子産物の発現とGnRH mRNAの発現との関連を調べることにより鳴声刺激が生殖に関わるニューロンを活性化するメカニズムを知る手掛かりを得ることが出来る。また、その遺伝子産物のウズラの脳室への投与によりGnRH mRNAの発現が高まるかどうか等を調べる必要がある。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ニワトリマイクロアレイのキットを購入する予定である。マイクロアレイによりどのような遺伝子が同定されるか現時点では分からないので、遺伝子産物の局在を調べるための抗体を購入出来るか自ら作成する必要があるかは分からない。遺伝子産物の合成のためには遺伝子発現ベクターと哺乳類細胞を用いる予定である。
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Research Products
(28 results)
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[Journal Article] RNA interference of gonadotropin-inhibitory hormone gene induces arousal in songbirds.2012
Author(s)
Ubuka T, Mukai M, Wolfe J, Beverly R, Clegg S, Wang A, Hsia S, Li M, Krause JS, Mizuno T, Fukuda Y, Tsutsui K, Bentley GE, Wingfield JC
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Journal Title
PLoS ONE
Volume: 7
Pages: e30202
Peer Reviewed
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[Journal Article] A novel protostomian form of GnRH can promote reproductive functions in bivalve molluscs, but not in vertebrates.2012
Author(s)
Treen N, Itoh N, Miura H Kikuchi, I, Takahashi KG, Ubuka T, Yamamoto K, Sharp P, Tsutsui K, Osada M
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Journal Title
Gen Comp Endocrinol
Volume: 176
Pages: 167,172
Peer Reviewed
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[Journal Article] Identification, Localization and Functional Implication of 26RFa Ortholog Peptide in the Brain of Zebra Finch (Taeniopygia guttata).2011
Author(s)
Tobari Y, Iijima N, Tsunekawa K, Osugi T, Haraguchi S, Ubuka T, Ukena K, Okanoya K, Tsutsui K, Ozawa H
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Journal Title
J Neuroendocrinol
Volume: 23
Pages: 791,803
Peer Reviewed
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[Presentation] Identification, localization and functional implication of 26RFa ortholog in the brain of zebra finch (Taeniopygia guttata).2011
Author(s)
Tobari Y., Iijima N., Tsunekawa K., Osugi T., Haraguchi S., Ubuka T., Ukena K., Okanoya K., Ozawa H., Tsutsui K
Organizer
82nd Annual Meeting of the Zoological Society of Japan
Place of Presentation
Asahikawa, Japan
Year and Date
2011.9
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[Presentation] Identification, localization and functional implication of 26RFa ortholog peptide in the brain of zebra finch (Taeniopygia guttata).2011
Author(s)
Tobari Y., Iijima N., Tsunekawa K., Osugi T., Haraguchi S., Ubuka T., Ukena K., Okanoya K., Ozawa H., Tsutsui K
Organizer
36th Annual Meeting of Japanese Avian Endocrinology
Place of Presentation
Hakone-Yumoto, Japan
Year and Date
2011.11
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